大詰めを迎えているIEEE802.11aiの標準化は、今週ワルシャワでの会合は、特に大きな議論はなく、粛々と手続きだけするという予定だった。そのためチェアである私も、セクレタリーであるもうひとりの日本人も参加せず、バイスチェアに任せていた。
ところが、半月ほど前に、PKIのPublic Keyの交換プロセスで、MIMによるセキュリティの脆弱性が見つかり、急遽PKIの取り扱いの協議に入った。基本的には、同じPublick Keyを続けて使用するとMIMによる詐称の可能性があるということだ。もちろん、これはそれなりに高度な攻撃は求められるのだが、コンビュータパワーの進化を考えれば、このような問題を内包した仕様をリリースはできない。
とはいえ、産業界でのインプリや他の仕様リリースとの関係から、大幅な遅延は、なんとしても避けたいという事情もある。
そんなわけで、急遽いくつかのテレカンなどで議論をし、参加していないワルシャワの会合にも、今日の夜は急遽電話で参加した。本来、会議自体は電話での参加・投票権行使はできないのが、議論には参加できるし、Strawpollという非公式投票はできる。
結論からいうと、PKIのハンドリングの機能を一部制約して、仕様から取り除くことで合意となった。
かつて、僕の知り合いの某先生が、PKIついては、かなり辛辣な批判をしていたことがあって、「だからぁ.....PKIなんていうのは....」と語っていた、彼の声が頭のなかで響いた夜だった。