兼ねてから発起人会として準備をし、先月に報道発表したデータ流通推進協議会の会員募集が正式に開始された。
ちょうど、今日は、総務省・経産省の「情報信託機能の認定スキームの在り方に関する検討会」の開催という報道発表もあったので、少し混乱している人もあるかもしれない。
”情報銀行”とか”情報信託”という言葉の定義がないまま、一人歩きしていることが、混乱の原因かもしれない。
例えば、インターネット上のサービスを提供しているGoogleやFaceBookには、僕ら固有の氏名、年齢など僕のみが生成しうり提供した情報もあるが、同時に僕が何を検索したかとか、何を発言したかなどの記録も存在する。ここで、後者については、僕とこれらの事業者の両方が存在してはじてめ生成される情報であり、どちらかに一方的にコントロール権や所有権的なものが帰属するわけではない。
僕らは、これらの事業者が提供するサービスの便宜を受けており、それをもたらすのは、彼らが投資して運営しているシステムが生成するこれらの情報があってこそだ。
だから、こういう履歴情報を彼らが取得することを拒否するのは、サービスの享受を拒否することにつながる。そこで、利用約款なりで合意を形成するわけだ。当然ながら、こういう合意には、目的なり範囲なりが含まれるわけで、その合意というのは、双方の利益とコストがバランスがとれて初めて成り立つ。
こういう、本業のサービスなりがあって生じるデータの話しと、個人なり企業なりがピュアに自ら生成したデータを誰かに提供して、それを信託運営する話しは、まったく区別するべきなのだが、そのあたりの整理が十分にできていないのでは思うことが多い。
というわけで、PDSだとか情報銀行とかも含めて、情報流通の話しは、特定の分野で、特定のことだけを議論しても、だれも幸せにならないので、あまねく広く、公平に協議できる場として、データ流通推進協議会が発展していくことを期待している。