今日は、溜まってる無線系な資料の作成があって、久しく会えていない相方のいるSunnyに行くのも我慢して事務仕事。
無線系な仕事をしているんだけど、たまたま朝みたNHKの番組で、個人情報の話しとかするから、やはりふつふつとデータ流通のことが脳内を占拠しはじめてしまった。
たまたま、データポータビリティにかかわるいくつかの動きもあって、ちょと僕なりに思うことを書いてみる。
どうも、" 情報銀行"、"情報信託"、"包括合意"の、言葉の整理がうまくできずに、漠然とした議論や論評が、いたずらに不安や拒絶の元になる風評を生み出す傾向になるのではと、ちょっと危惧している。
GoogleとかSNSとか携帯キャリアなどが、本業のサービスを提供し、その提供により生じるデータ(検索履歴や通信履歴) を、二次利用するのは、利用者が提供されるサービスの対価として評価し、サービスのもたらす便宜と比較して許容する包括合意というものではないだろうか。
この場合、利用者がサービスの提供を拒否(退会)することで、登録情報の利用が停止されれば良い。そもそも、利用者の検索履歴や通信履歴は、利用者が単独で生成できるものではなく、事業者のシステムやサービスによって生成・収集が可能なもので、利用者のものというよりは、利用者と事業者の共有財だと思うのだ。もちろん、利用者が単独で、生成・提供することが可能な、個人に関するデータ(氏名や性別、年齢など)は、その利用差し止めも、抹消も利用者側が単体で要求しうるものだが、検索履歴などは利用者と事業者の合意のもとに、取り扱いが決められるべきものだし、利用者が一方的にポータビリティを主張できるものでもないと思っている。これは、小売店や各種サービス業における購買履歴や利用履歴などもしかりだろう。
一方で、個人が単独で生成しうる情報を提供し、その信託を受けたものが、第三者提供し便宜を個人に戻すのが、信託機能で、これは上記の包括合意とは異なるだろう。
昔から、医療のカルテは誰のものかという議論がある。カルテには、患者の固有の症状などのデータと、それに対して、何をどう処方したかというデータが存在するが、これも患者と医者の共有財だろう。
この場合も、患者が無条件にカルテに記載される全ての情報の利活用を医者の同意なしに自由に扱うことは、医者に対して処方という独自性のある部分のコントロール権を破棄せよというのと同じで、抵抗があるだろう。
というわけで、情報銀行と情報信託とか包括合意とか、用語の定義をしっかりとしていく必要があると思うのだ。