今日の午前中は、総務省でICT分野における技術戦略の検討会。まいどのこととはいえ、結局のところ教育問題に帰結したりする。アーキテクトというかシステムレベルの思考ができる人材は、どうやって育てるかという話になったりした。
ちょうど、月曜日の大学での講義でも、似たような話しをしたのだけど、ゼロから1を作る創造の世界には、夢とともに技術のコアというか本質を掴んでることが求められる。
ここで、本質というのは、細かい最先端技術ではなくて、本当にベーシックな原理原則的なことだ。そして、複雑な事象を自明な原理・原則に落とせる力を持つ人こそ、アーキテクチャとして有能だとつくづく思っている。
というわけで、いかにそういう人材を育てるかというのがあるのだが、これってRoot,Inc.の時の経営方針そのものだ。そんなわけで、ちょっと掘ったら出てきたので、貼っておく。
Root,Inc 経営方針
問題解決型の技術提案で社会に貢献する。
技術とは、複雑なことを複雑な手法で解決することではなく、また技術そのものが目的であってはならない。 社会や自然界において、人や組織が抱えている問題を的確に捉えて、その問題を解決することが目的であり、適切な解決手法を提供することこそが技術である。
当社は、いたずらに先端的な技術のみを追求したり、顧客の目的や問題を考慮しない単純な受託開発を行うことを業務とはしない。 本当に解決するべき問題を、顧客の立場で捉え、その目的にあった解決策を技術提案することで、社会に貢献することを目的としている。
このような概念をソフトウェアの開発手法として提唱していた”オブジェクト指向”という言葉から、弊社の社名(Root = Real Object Oriented Technologies)が命名された。
独創力豊富な技術者を育て将来にわたり、有意義な人材を育む。
上記のような問題解決型の技術提案を行うには、白紙の状態からさまざまなアイデアを展開できる技術者が必要となる。しかしながら、高度経済成長やバブル経済で大量消費を軸としてきた電子機器業界においては、効率化を求めるあまり分業化が進められ、一方で、製品の高度化にともない技術内容も複雑化を増してきた。
この結果、大手企業においては、このような独創的かつ高い視野をもつ技術者を育てることが困難となり、さらには、バブル経済期の影響から若年層の製造業、工業指向が薄れてしまった。
また、企業が技術指向の学生や若年層に対しても、魅力的な将来像を示せないことから、このような独創的技術者を生む土壌が失われている。 そこで、当社ではこのような技術者を育て、それによって将来において問題解決型の技術提案によるビジネスを創出することを経営理念として掲げている。
こしてみると、この経営方針は、いまでも十分に有効だわ。