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2018-07-06 知財の現場

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  今朝は、DTA(データ流通推進協議会)の技術基準検討委員会のTFに参加。こういう業界アライアンスでの標準化などでは、各社の知財の扱いは、とても重要な協議事項になる。

  一般に、SEP(Standard Essential Patents ) = 標準必須特許と言われ、標準規格を実装する上で、避けて通れない特許がある場合、それを権利者が他者に対して利用許諾しないと標準化した製品が普及できないという課題がある。

  そこで、FRAND(Fair, Reasonable And Non-Discriminatory)= 公正、合理的かつ非差別的にライセンス供与ということを、権利者に求めることが広く採用されている。

  とはいえ、"公正"、"合理的"、"非差別的"っ言うのは、なかなかに抽象的なので、各団体ではその解釈などを、厳密に定義するのだが、時にそれは大きな論争となることもある。最近も、IEEE802.11関係では、一騒動あった。

  DTAでも、いろいろな基準を作っていく上で、この辺りの整備をしっかりとしないとならない。こういう業界団体では、参加する企業や団体には、このような作業も含めて多くの寄与を求められるので、少人数のベンチャー企業などでは、十分なリソースがなく対応しきれないケースも多々ある。

  だからといって、それを理由に様々な規約や団体としての活動規範を、そういう企業に合わせて簡素化することは、本末転倒となる。スタートアップが標準化やソーシャライズを戦略的に重要と捉えるのであれば、当然ながらそれは他の開発行為や営業行為同様に、相応の経営資源を投下することも当たり前だろう。

  実際に、IEEE802などでは、欧米のスタートアップが、それなりのリソースを投下して、リーダーシップを取りに来ているし、それがスタートアップの評価にもなっている。

  逆に、事業の内容や性質から、標準化やソーシャライズに優先度を置かないのであれば、ここにリソースを割かず、フォロワー的な戦略を取るのも手だ。

  幸い、DTAの場合には、会員の多くが大企業であり、知財部門や法務部門の方が、要所要所に参加してくれている。実は、今日もとある会員の方で、国際的なアライアンスなどで、リーダーシップをとってきた経験のある方からこれからの活動への寄与を申し出ていただいた。

  というわけで、知財の関係で現場力のある人がいることは、今後の議論に大きな利点となる。


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