今週は、サンディエゴでIEEE802.11のPlenaryが開催されている。あいにくと、僕は出席できなかったのだが、IEEE802.11aiの時のバイスチェアとセクレタリーだった仲間が、新しいスタディグループで活躍している。
スタディグループというのは、新しい標準化をするのに必要なドキュメントを作成し、標準を策定することの承認を得るのを目的としている。このため、その設置期間は6ヶ月なのだが、大抵は一度くらい延長となる。逆に言えば、標準化をするべきか、するとしたらその効果や目標設定はという部分だけでも、6ヶ月以上の期間を掛けて審議をしているわけだ。
そんな、スタディグループのチェアをしている仲間から、電話で現状報告があった。なかなかに、ちょっと苦労しているようで、やはりドライブィングフォースとなる仲間作りに苦労しているようだ。
最近はオープンなんちゃらでコミュニティに参加することの重要性が語られることが多いけど、コミュニティに参加することとコミュニティを作ることは大きく違う。"この指とまれ" と言うのと、誰かの指にとまるのでは、大きく違うわけだ。
もし、本当に新しいことを生み出して、それを社会に広めていくのであれば、最初の一人になって"この指とまれ"と叫ぶことが求められる。こういうのは、英語的にはソーシャライズと言うことが多い。そして、このソーシャライズする力が、標準化などで言い出しっぺになるにはとても重要なスキルになる。
IEEE802.11では、300人を超える参加者がいて、国も会社の規模もバラバラなので、このソーシャライズの面で日本人は、どうしても英語という言語の問題に突き当たる。逆に、日本人の仲間を引き込みたい欧米人にとっても、言語の壁はあって、電話をしてきたドイツ人のチェアからは、その辺り苦労が伺えた。
日本で立ち上げたDTAについては、日本では相応な形になってきたけど、国際社会でのプレゼンスを作るには、また別なソーシャライズパワーが必要だ。