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2018-09-14 融合

_ [仕事][][電波] 融合

  IEEE802.11ai以来のオフィサーメンバーで、元同僚らと提案してきた無線LANを使った放送型の規格(eBCS:Enhanced Broad Cast Services)が、IEEE802.11の規格として正式に策定されるためのワーキンググループでの承認が、今日のクロージングプレナリーで無事に可決された。

  この規格は、無線LANを搭載しているスマホなどのデバイスに対して、放送型のコンテンツ配信をしようというものだ。放送型というのは何かというと、個々の端末が接続・認証などをいちいちするのではなく、ネットワーク側からコンテンツを同時に配信するということだ。ただし、端末が偽や望まない放送を受け取らないように、信頼できる基地局のコンテンツを選択する機能が組み込まれる。

  これは、スマホなどのデバイスをパッシブデバイス(受動型)として利用するので、端末から電波を出すことがなく、無線LANによる個人の行動がトレースされるような心配がない。ちなみに、こういう仕組みとかで、不用意というか知らぬ間の個人情報の収集が限定されていけば、将来的には個人が積極的かつ能動的に情報を提供することの価値は、相対的に上がっていくということも期待している。

  当初、僕らは美術館での案内とか駅や空港の案内板からの配信など、比較的狭い空間での利用をメインに想定していた。ところが、今回我々の活動に対しとて、英国のBBCが興味を持ってくれて、 屋外イベントなどでの大規模配信に興味をもって、共同提案などをしてくれた。

  これは、ある意味無線LANにおける通信と放送の融合の第一歩かもしれないので、とても面白い展開になりそうな気がする。いままで、放送業界は無線LANのコミュニティのキープイレヤーではなかったので、この新しいプレイヤーの参加を誘発した意味は大きい。11aiは、結果的にチップベンダーが強くて、せっかくの日本初の国際標準でも、日本のメーカーは、単なるフォロワーになってしまったけど、今度はチップ依存性が低いので、日本のメーカーにも積極的なリーディングを期待したいところだ。まぁ、日本に拘るわけじゃないけどね.... 私のアイデンティティは、私だし。

  昨日、クロージングしたIEEE802.19でも、日本のメーカーからの提案で、新しいTask Groupの設置が無事に承認された。少しずつだけど、僕たちもIEEE802な世界で、インパクトのあるリーダーシップをとることが出来つつあるなと感じる。

  夕方のフライトまで時間があったので、ホテル内のラグーンで、しばしのんびり。アクティビィティのクーポンをもらったので、初シーカヤックでラグーンの中を一回りして、ウミガメとのランデブーを楽しむ。

  夕方のフライトで、ホノルルに行き、たまたま観光に来ていた知人ご夫妻と夕飯。そのあと、IEEE802.19でのタスクグループの立ち上げをした某社の研究者らとビールで乾杯。長かった出張も、今夜が最後。

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