夜の9時過ぎにほぼ定刻で羽田に帰国。羽田から新宿に出て、かいじの終電で山梨の自宅に戻ったら、深夜の2時近くになってしまったけど、ちょうどよい時差調整でもある。
今回は、データ流通推進協議会 DTAの仕事として、僕を含めて5人のチームで、NJ PiscatawayにあるIEEE SA(Standard Association)の本部を訪問した。普段は、IEEE802.11での標準化に参加しているので、この本部を訪れる機会はなく、僕も今回が二度目の訪問になった。
今回の目的は、データ流通に関係する国際標準化の動向調査で、5人のうち2人は、先週欧州でIDSA(International Data Spaces Association)との打ち合わせをし、そのままアメリカに合流した。IEEE-SAとのミーティングは、僕とSAのスタッフで事前調整したのだが、対応してくれたスタッフは、もともとアジア担当で、彼らが来日した時の調整を僕が手伝ったり、共催でシンポジウムを開催したりと、なんども一緒に仕事をして気心が知れている。実際に、今回の訪問も、事前にこちらの目的やヒアリングしたいプロジェクトを伝えておいたので、三日間にわたりしっかりとアジェンダを組んでくれた。
実は、個人的にはもう一つ目的があって、それはなにかというと、DTAの他のメンバーに、国際標準化の現場というのもみてもらうことだ。とくに、IEEEというとイメージとしては、学術的な国際会議や学会誌発行のイメージが強く、標準化活動の実態はあまり知られていない。もちろん、イーサネット、無線LAN、Bluetoothなどの大規模に普及している方式の標準規格を策定していることは知られているけども、その標準化の作業組織であるIEEE SAのことはあまり知られていない。
そんなわけで、ただ単純に個別訪問して、ヒアリングするのではなく、今回は開催中のSASB(Standards Board) という、集中的に開催されるマネージメント会議の開催に合わせて訪問し、いくつかの常設委員会にもオブザーバー出席できるように取り計らってもらった。
実際に、月曜日の夕方には、知財関係を対応するPatCom(Patent Committee)などにも、DTAのメンバーが出席した。会議の冒頭では、参加者全員が順番に名前と所属を紹介するのだが、DTAのメンバも分け隔てなくマイクが回ってきたりして、そのオープン性を体感してもらえたかと思う。また、AudCom(Audit Committee)では、会議のアジェンダの先頭で時間をとっとてくれてDTAの紹介プレゼンもさせてもらった。会場の都合で、スライドなしのいきなりスピーチではあったけど...
最近は、官民を問わず日本の団体も国際標準化の推進ということで、有名な国際標準策定団体 SDO(Standard Development のOrganization)と、MoUを交わしているけども、MoUがゴール的なものも少なくない。DTAとしては、きちんと各SDOの実態を把握して、具体的な協業をすすめることで、世界に通用するルール作りをしたいと思っている。そういう意味で、今回僕以外の人にも、たんなるヒアリングではなく、現場へ参加もしてもらったことは大きい成果だった。百聞は一見にしかずというけど、百聞も一見も両方だいじなんだよね。