取引先の会社の常務が取締役任期の満了となり定年退職をされたので、慰労会をかねて夕方から会食となった。 上場企業なのだが、顧問制度などは全て廃止しているそうで、定年年齢を迎えると完全に会社からは離れる仕組みになっているそうだ。 話を聞くとEさんは、46年間プロパーで勤められたそうで、ちょうど僕が生まれた年に、この会社に入社されたとのことだ。 かつては、日本の多くの企業は終身雇用を謳い、定年後も大企業などは関連企業やグループ会社に天下りしたり、顧問職などの席を用意したりするケースが多かったのだが、いまは完全にこのような習慣は薄れてきている。 とくに、IT業界などは、若いうちに転職を繰り返す人がかなり多く、人材の流動が激しい。 しかし、転職によってスキルアップがされ、その人の職能が進化していくのならば良いが、転職の数だけふえて、何も残らずに歳だけを取ってしまうケースもあるようだ。 若いうちに、明確なミッションや目的をもって転職をし、一定の知見を得たら、腰を落ち着けてそれらが活かせる職場に着くというのも手だろう。 いっぽう、長年ひとつ企業で勤め上げた人というのは、やはり職能の面でも他が認めるものがあれば、有る程度の高齢になっても、社会が引退を認めない。 E常務も、既に新しい仕事の展望がスタートしているとのことなので、これからもいろいろと指導いただけると期待している。