今日の朝刊に無線LANを外部の人に無断で悪意のある行為に利用される事の可能性や、その場合の責任範囲に関する記事が載っていた。 もう、7年くらい前から、この踏み台に関する問題について、いろいろなところで提起していたが、いわゆるデータの盗聴などに対するセキュリティ(自分の通信が盗み見されること)に対する認識にくらべ、その危険性について理解してもらう事が少なかった。 この背景には、ベンダーやSIという無線LANを提供する側(そういうトレンドを報道するメディアも含む)が、自ら解決するのにはいささかハードルの高い事(コストのかかる事)に対して、ビジネスの優先順位をあげて対応していなかった事も大きな要因だろう。 結果として、広く普及した現在は、その危険が及ぼす影響範囲が拡大した事から、この問題への対応を行わないことのビジネスリスクの方が大きくなる可能性が出てきたのだろう。 文明や科学技術の普及は、常に正しく完璧なものが先行するのではなく、ある程度の危険を含みながら、フィードバックされていく事は仕方がないのだろう。 しかし、技術者や科学者はやはり真理の追究と危険に対する警鐘には、ビジネスに左右されずにもっと積極的で良いのではないだろうか、ここ数年に不幸にも発生してしまったセキュリティの事故などは、その発生時点で既知であり、解決策が存在していたものが多いのではないだろうか。