民主党政権での事業仕訳の話題は、先週参加してたIEEE802の会議に来ている研究者の中でも話題になった。 確かに、この仕訳で明らかになる無駄使いや天下り団体の実態というのは、驚愕に値する。 このなかで、自ずと僕らの周辺ではロケット開発やスパコンの話になるのだが、これも簡単に論評できるものではない。 しかし、技術や研究開発に対して、まったくの門外漢が「世界二位じゃだめなんですか?」という質問というか発言は、さすがにいただけない。 どうも、みていると発想が、短期的すぎて、中長期の視点が無い。 研究開発も、ここ数年成果主義を唱って、比較的短期の成果が見えるものが重点を置かれているけれど、短期間に開発投資が回収できるような応用研究は、民間がやればいいし、実際に携帯電話の開発やインターネット関係の研究開発なんて、今や圧倒的に民間優位だ。 逆に、その時々では評価出来ないというか、先が見えないような研究こそ、税金を投じて、長期的に行なうべきだと思う。 WWWだって、欧州原子核研究機構 (CERN) で生まれたわけで、この当時に素人が短期的な経済的効果で判断していたら、きっと廃止たったろうな。(もっとも、WWW研究そのものに、当時予算がついていたとは思わないけど) 国際競争力を強めようなんて言ってる時代に、基礎研究や長期研究の芽を、特定の人の浅慮な価値観で摘み取ってしまうのは、後々大きな後悔になるんじゃないかと心配してしまう。 苦しい時こそ、教育なんだという、米百俵な話は、もう通じないのだろうか...