とあるエンジニアから仕入れ先の出荷検査基準が緩過ぎると思うのだがという相談を受け、その出荷検査基準をみせてもらった。 量産品のOQCの抜き取り検査基準で、AQL が、 Critical=0/Major=0.65/Minor=2.5というもので、内容的にも一般的なものだが、この担当者がAQLとか抜き取り検査といものを知らなかっただけだった。
実は、メーカーの開発にいる人間でも、こういう最低限のQC/QAの基礎知識を有していないのが、昨今の現状だ。 もっというと、開発にいても一度も製造、生産現場に行った事が無いエンジニアも沢山いる。 大手メーカーなどでは、研修でラインに入ったり、QCのセミナーを受けたり、QCサークルとかがあったりするのだろうが、中小のメーカーでは、なかなかそういう経験が出来ない。 しかも、OEM/ODMとかEMSで、一応それなりの製品が出来てしまうので、どんどんこの傾向が強くなっているようだ。 また、学校とかで設計の基礎知識は学んでも、品質管理などは、職場でないと学ぶ機会もほとんどない。
一方、日系企業がかつて持ち込んだQC/QAは、中国や台湾で成功している企業には、しっかりと根付いているようだ。 こうなってくると、日本の製造業って、本当に大丈夫なのかと思ってくる。
日本は、モノ作りで国際競争力があるといつまでも昔話を信じていてはいけない。