日曜日からテキサス州サンアントニオで開催されたIEEE802.11 Plenaryも、今日で終了。 今回も、僕がチェアを務めるIEEE802.11 TGai(無線LANの高速接続認証の標準化)は,9スロットの会議を行い、標準仕様に対する起草が随分と進んだ。
実は、今回こちらに来る前に,日本で既に感じていたことだが、ネットワーク機器の最大手の会社が、TGaiの動きに積極的な参加姿勢を見せて来た。 日本では、IEEE802.11aiの活動を推進するために、民間レベルでWi-FILS推進協議会を組成し、実証実験や情報共有を進めている。 この協議会へ先月の会合に出席する日本支社の人間が増えた。 そこで、同社の知り合いに少し状況を聞いたら、中国の携帯市場の動向などから、会社としてウォチ対象となったようだ。
こいう世界的企業は、機を見るに敏なわけで、いちどこういう方向性がでると、一気に攻めてくるようだ。 これまで、TGai ではベテランのうるさ型の人が参加していて、総論的な意見を述べていた程度だったのに、今回は若手の担当がかなり細かくモノを言い出したし、なんからの独自の提案もあるような含みがある発言もあった。
例によって、ついつい日本の企業と比較してしまうと、こういう展開の早さとか意思決定の強さは相変わらず感じない。 まぁ、二言目には「他社はどうなっているの?」が出てくる経営幹部とか、「xxさん(上級者とか経営)はなんて言っているの?」しか聞かない中間管理職が居座る組織では、無理も無い。 こういう体質が今は個々の企業だけじゃなくて、世代を越えて日本社会を覆っていると感じる中で、ニュースでみた野田さんの解散宣言は、なかなか素敵に聞こえて来た。