朝から都内で,移動して打ち合わせの連続。流石に、この暑さだと疲労感がどっときた。うーん、歳なのかな...
そんな疲れは、夜の旧知の方との会食ですっかり癒された。彼は、 先般37年勤めた商社を、満期定年により退職され、今は途上国支援のNGOに勤めているということ。定年の時に連絡をいただき、落ち着いたら一献をとのことで、久しぶりに再会した。
1992年頃に、シリコンバレーの軍需系の通信機器会社が、技術の民間転用を進めるためにASCI部門を独立させた。僕は、その会社のもつディジタルマッチドフィルタ、直交複素掛算器、ビタビ、NCO(DDS)などのLSIに惹かれて、Root,Inc.を立ち上げる前にコンタクトをした。
ちょうど、1chipのスベクトラム拡散のLSIを開発中で、起業準備中であった僕個人に対してαサイト契約をしてくれた。この時、この会社の半導体の輸入販売権を持っていた商社で担当していたのが彼だった。
まだ、スベクトラム拡散とかCDMAなんていうのが、良く認知されていなかった頃で、彼らのαチップを日本で入手できたのは、僕と某レーダー系の会社の二社だけだった。僕らは、このチップの評価基板の開発などからスタートして、最終的にスペクトラム拡散通信の無線モデムを開発したのだが、彼はこの頃に我々の開発したボードの再販などでも、大変な協力をしてくれた。
また、彼自身もアマチュア無線家で、都内でキュビカルクワッドでHFでアクティブだったということで、僕らが開発した受信機やバンドスコープ等の話しも、よく理解してくれた。
また、当時のこのLSIの会社の営業マンの米国人などは、いまもシリコンバレーに在住なのたが、香港の商社を紹介してもらったりと、Root,Incの事業の黎明期にいろいろとな協力をしてもらったものだ。
そんな彼が、無事に定年を迎えて、2nd LifeとしてNGOで国際貢献をするというので、今日は二人で再会と彼の再出発を祝しての会食だった。
つくづく思うのは、何かの仕事を一緒に成し遂げた人と、後々こうして一献できる関係というのは、本当にありがたいし嬉しいものだ。会社とか立場で、頻繁にあったり疎遠になることはあっても、一段落した時にこうやって再会できる関係というのは、なんとも心地よい。