台風の影響が心配だったので、朝一番で畑にいったけど、キュウリのネットの支柱が傾いたくらいで、大きなダメージは無くて、一安心。
昼前にインターンシップ希望の学生二人と面談して、少し若い人の感覚をもらう。
午後は、元情報処理学会副会長のM先生が来校されての特別講義。先生の経歴と情報通信の流れがリンクしていて、途中からの歴史はかなりリアルタイムで僕の経歴とも重なっていて、とても面白かった。
特別の講義のあとは、M先生も審査員として参加いただいて、僕のD論の公聴会。課程に入ってから国際会議やジャーナルに投稿した論文、あるいは議論は基本的に同じ分野の方々を対象とした世界だった。
これに対して、D論というのは分野に関わらず、広くこの研究で本論文で得られた知見が既存技術や社会課題に、どのようなインパクトをもち、今後どのように波及していくかという事を訴求する必要がある。
今日の公聴会では、他の専門分野の先生方もいて、異分野の方からの指摘や議論は、この辺りの緩さが指摘され、とても勉強になった。
一方で各論では、「非平衡開放型」とかいう用語でのシステム論が飛び出したり、「スケーラビリティがある」と「スケールする」という用語の解釈に差異があったりと、異分野間ならではの質疑があった。
僕は、実装主義者で、モノを開発するということは、その動機や背景には、何らかの課題を解決するためであることは自明だと思い込んできたし、それは閉じた分野ではある程度許容されるだろう。一方、学術的には、波及性のある結果を導出することが重要であり、この事はプロブレムステートメントを、普遍的な命題として定義できるかなんだろう。となると、テーマの選定フェーズがとても重要なわけで、この期に及んで強くそれを認識するに至ったりした。
というわけで、幾つかの宿題と多くのエディトリアルな修正を含めて、最終提出までに、こぴっと頑張って仕上げることで、気を引き締めることとなった。
夜は、遠路はるばる甲府にお越し頂いたM先生を囲んで、指導教官の先生や審査員の先生と、甲府駅の近くで一献して、甲府の駅前のホテルに投宿。
小年易老學難成というけど、小年は老い易いといえども、充分に時間はあるけど、僕の場合は中年易老學難成なのだ.....