ベンチャーなんてやってると、Lean Startup、MVP (Minimum viable Product)とか、PoC(Proof of Concept) なんて言葉が、とにかくやたらと周りに聞こえてくる。
確かに、ラズパイとか3Dプリンターとかで、それっぽいモノが、昔から比べたら格段に早く、廉価にできるようになってきた。
そして、小綺麗というかカッコイイビデオなんかも、CGも含めて制作できて、クラウドファンディングへという流れも確立されたようだ。
面白いことに、こんな言葉を使っているのは、やれベンチャーはこうだとか、アントレプレナーとはなんてご高説を垂れる年寄りか、それを聞きかじった生半可な経済学者や役人ばかりで、自ら起業したことのある人は、まずいない。まぁ、どうみてもベンチャーブームを煽って、それに便乗しているような輩なわけだ。
先週の某展示会でも思ったのだが、こういう輩にうまくアイドル的に祭り上げられるタイプの若い人が、最近は結構いるようだ。
そして、こういう人たちの中には、自己陶酔的に夢を語るエバンジェリストが結構いる。面白いと言っては失礼だけど、こういうエバンジェリストは、一般の方よりも表層的な技術トレンドには詳しい。ところが、技術の本質を理解していないので、その道の専門家から冷ややかに評価されている。
それでも、ベンチャーブームを煽るなんちゃって起業支援の人たちも、技術の本質に対する目利きなんてできないので、祭り上げたエバンジェリストと相互に自己陶酔的に盛り上がる。
しかし、時が経ち作るといったモノができなかったり、形はできても価格や性能が当初語られた夢とはほど遠かったりして、結果が報われないことが露呈し、自然にお祭りが終焉を迎える。
こういうパターンだと、終焉を迎えたとしても、製品やサービスが立ち上がってないので、逆に顧客というステークスホルダーが少ないから、事業継続に対する社会的責任が稀有で、あっさりと事業を止めてしまう。
そして、また暫くすると、新ネタで同じように夢語りをし始めるシリアルアントレブレナーならぬシリアルエバンジェリスト的な人が結構いたりする。
最近気がついたことは、ハッカソンとかピッチとか、いわゆる起業家支援イベントやコミュニティでは、こういうシリアルエバンジェリスト的な人が、まぁある種のアイドル的に存在していることだ。
こういう人達って、果たしてどのくらい実現しないネタを、繰り返せるのかなと、ちょっと興味をみて観測している今日この頃だ。
まぁ、狼少年は、嘘つき認定されるまでに、何度「狼が来るぞ」と言えるのだろうかということだ。