夕方、公募助成事業関係の方と打合せ。標準化の進め方について、僕の経験から大まかなプロセスを説明した。
新しい標準を作るときのスタートは、その標準ができることで、なにが嬉しいのかという事例をまず示すことだ。このことは、"ユースケース"と言うけど、"ユースケースシナリオ"と言う方が適切な気がする。
たとえば、BobとAliceは、お互いが収集した環境データを用いて、異なる地域の環境の比較をすることにした。いままでは、お互いがデータの分類に独自のタグをつけていたので、比較項目を整理するのが大変だった。ところが、今年からはデータ流通推進協議会の定めた標準仕様に従うことにしたので、変換や分類の作業がしなくても、同じ意味のデータが比較できるようになって、とても幸せになりましたとさ...みたいのが、ユースケースシナリオだ。
こういうシナリオを書いて、ではそのシナリオで実現される世界と現状の差を分析するギャップアナライズをする。そして、実現すべき標準化の機能要件や、その機能を実現する技術的要件を明確にするというプロセスを取る。
さらには、そのような標準を、実装しようとする参加者やそのタイミングなどを整理するというプロセスも求められる。
こういう、標準化作成での一般的プロセスを認識せずに、ただユースケースとかの議論をすると、どうしてもアウトプットが見えなくなる。
ということで、まぁいま進めている公募案件も、その辺りの進め方を整理したほうがいいかもという話になった。
とは言うものの、それをどうやって実務者に教えていくのよというのが、悩ましいとこだ。 やれやれ