今日は、IEEE802.11bcへの寄与の検討会。通信の電波を使って放送コンテンツを配信するというのは、やはりある意味逆転の発想なので、制度がらみがいろいろと面白い。とくに、通信と放送で、著作権関係の取り扱いが微妙に異なる日本の事情って、国際標準化の世界では伝わらないだろうな...
この検討会のあとは、大手町でテストベッドの研究会へ参加。有線・無線の統合的なテストベッド環境の話しをしたのだが、なかなかにショッキングな状況だった。
この研究会では、LPWAのテストベッドというのも展開しているんだが、なんと会場の参加者100人くらいのうち、SNとSINRの違いを知っているとか、リンクバジェットの計算ができるという人が二人しかいなかった。
そして、当たり前のように無線はやってみないとと解らないという発言がでてくる....やってみなきゃ解らない以前に、やらなくても解ることが沢山あるのにだ。まるで、全てを放棄してというか逃げ口上に走る似非研究者にしか思えない。
もう、チコちゃんに「Wi-Fiの電波が届くのは100mなのはなぜ?」と聞いてもらいたいわ。
電波の届く範囲の理論も知らないくせに、やれ900MHzなら非見通しでも大丈夫なのにとか、LPWAは低速だけどビル影とかを気にしなくていいとか、やれIoTはWi-FiよりLPWAだよねとか、したり顔で説明しているなんちゃって研究者のなんと多いことでしょう。でも、チコちゃんは知っています。
Wi-Fiの電波が届くのは100mなのは、設計した値にビジネスとしてのマージンを考慮して決めたキャッチコピーだから.....
というような、基礎講座をやんないと、もう日本の無線エンジニアは完全に死んでいるわと情けなくなった日だった。