日経に高速無線通信、新規参入組を優先・移動通信で総務省方針という記事で、BWAの免許割り当てに関する記事がでている。 おそらくは、総務省記者クラブ詰めの記者が書いた記事だろう。 いわゆる、Wi−Maxの利用などに2.5GHzを割り当てる件だ。 この記事では相変わらず、最大通信速度が75Mbpsなんていうことを書いている。 Wi−Maxが最初に検討され始めた時ならば、最大xxxという謳い文句は、実際に利用する周波数や帯域、電力に依存するとはいえ、未定なのだから可能性0ではなく、また新しい技術に対する啓蒙の手段として、技術屋もプロパガンダ的に叫んでいたのだから、こういう記者の理解や記述は、なんとなく判る。 しかし、今回の周波数割り当てについては、昨年来の作業班の検討が公開されており、その経過なども十分に知り、逐次報道もされていた。 とすると、実際の検討では、1.4Km程度のセルで、最大でも30Mbps程度のベストエフォートが検討対象となっていることを熟知しているにも関わらず、こういう記事を書く狙いは、誇張以外のなにものでもないだろう。 一般の読者を対象としたメディアの影響というのは、本当に大きく、この記事を読んだ非技術系(最近は技術系でも鵜呑みにする)の人達に過度な期待を誘導し、電波利権的価値観を増長させるのではないだろうか。 科学や技術について、夢を語ることや、その可能性、将来性を示す事は、とても重要なことだけれど、既に具体的な施策の実施段階であること、一方で電波利用の有効性や共存が重要なテーマになっている時に、3年まえからおなじお題目を鵜呑みにしているような記事や記者は、社会にとってとても有害なのではないだろうか。
とろこで、先行して移動体通信新規参入組に2社となると、ルーラルなどの固定利用組みは、真ん中あたりを割り当てるのだろうか? また、新規参入としてウィルコムを認めた場合、彼らは次世代PHSで行くのか、Wi−Maxで行くのかがとても興味があるし、国内では一番まともな実験をして、IEEEでも積極的に貢献しているKDDIが参入できないので、下手をすると一気にWi−Maxブーム(あえてブームと言う)消沈というシナリオもあるかもしれない。
肝心な総務省の方針を読む前に、これを書いちゃいました。 やっぱり、固定割り当ては、真ん中です。