昨日も書いたけど、総務省の広帯域移動無線アクセスシステムの免許方針案についての意見募集がはじまった。 いわゆる、2.5GHz帯をWi−Maxなどの利用に割り当てるための免許方針だ。 この方針案がそのままだとすると、いくつかの問題があると思われる。
免許人は、地方自治体や新規参入事業者であり、第三世代携帯事業者やその関連会社は、排除されている。 つもり、Docomo、Softbank、KDDIは駄目なわけだ。 先のIPモバイルやイーモバイルのケースを見てみると、結局割り当て周波数が十分に効率的に利用されているとは言えないのは自明なのだが、今回も移動体通信は、全国免許であり、エリアカバー率、人口カバー率を要件として課しているので、新規参入で十分に全国展開できる体力が求められるわけで、果たしてそんな会社あるの?と思ってしまう。
一方で、固定的利用についていえば、地域免許であり、その単位も市区町村という小さな単位にしたことは、とても評価すべき事柄なのだけど、10MHzしかないので、技術的に将来の高度化が閉ざされているし、移動体への再利用が出来ないのが大きな問題だろう。 さらには、高利得アンテナの利用は、過疎地域などに限定しているのだけれど、この過疎地域がブロードバンド未解消地域とどの程度オーバーラップしているのかが、とても気になるところだ。 それに、高利得アンテナといっても、技術検討では、家庭に置く機器に外部アンテナをつける形態も示しており、これなんかは移動体通信の利用者が自宅で使うのにはとてもよいはずなんだけど、これが使えないのも問題だろう。 つまり、移動通信の免許をとる人は、全国サービスを義務付けられるうえ、家庭での利用までカバーするには、基地局を沢山設置する手法しかとれないわけだ。 ガードバンドは、各々5MHzもとっているんだから、移動でも高い利得アンテナの利用を緩和する措置をとるべきで、この辺りは、将来の緩和として折込ずみなのかもしれない。
へたすると、新規参入組みに規制するのも、一旦はそうしておいて、要件を満たす参入者がいないことを理由に、既存通信事業者に割り当てるという二段階の狙いがあるのではとも思ってしまう。