佐賀で開催された九州地域情報化研究会に参加する。 ひとつのメインテーマは、無線の利活用で、Wi−Maxな話。 今回は、地域バンドの話だけでなく、KDDIさんが全国バンドの事業取り組みについての講演もあった。 実際には、全国バンドの免許は、3G事業者の支配力のある企業には与えないということで、ワイヤレスブロードバンド企画という企業連合に与えられたのだが、実質的にはKDDIが主導であり、こういう公の場でもそこになんらの疑義も感じない。 これは、比較審査で落ちた他の企業連合に免許されたとしても、まったく同じだっただろう。 つまり、資本比率だけで3G事業者を規制したことは、なんの意味もなかったのではないかということだ。
次に、今回講演のあった事業展開の内容だけど、2013年に560万加入、収入想定1450億という、極めてコンサバな内容で、ウィルコムのそれといい勝負だ。 しかも、カバーエリアが増えたら、多用な端末が増えて、さらに新しいビジネスを創造するとか、その為にはオープンなコンソーシアムで協業者の啓発をするなど、なんだか10年前から聞き飽きたような戦略で、目新しさを感じなかった。 もう、自分が通信事業に飽きたのかな...
会議の主題は地域情報化なのだけど、こちらも10年前から感じていることの解はいまだに見えてこない。 相変わらず、議論はICTで、地域社会に本当に有益な何が出来るかという視点で、ITという言葉がICTに変わったところで、技術系(新しいもの好き)な人が、それを使ったら何が出来るかを模索している感じが否めない。 僕もそういう視点で地域情報化という領域の仕事をしてきたけど、田舎に住んでから特に感じていることは、やはり技術で何ができるかではなくて、抱えている地域の課題を解決するには、どういう技術が使えるかという視点での議論が必要で、その為には、そもそもの地域の課題認識と整理が必要なんじゃないかということだ。 そろそろ、地域情報化の議論をするこういう研究会も、技術用語を禁止にして、社会的課題の掘り起こしというのを、純粋にヒアリングするような企画があっても良いのではないだろうか。 地域の住民の人をゲストに迎えて、何が困ってるの? 何が欲しいの? なんていう上位レイヤーの視点からのヒアリングをし、次にそれを実現するための道具や実装の議論をし、結果的にそれがICTだったりするが良いのではないのだろうか。