僕の周りには、沢山の経営者と言われる人がいるけれど、そこには実にいろいろなタイプの人がいるが、いづれも個性的でありカリスマ性がある。
しかし、企業の規模によって、その人望的な部分は随分と違って見える。 いわゆるの大企業の経営幹部の人達の多くは、その人生観なども含めて、話を聞いていてとても徳を感じる。 一方、新興企業やベンチヤー企業の経営者は、やはりもっと先鋭的で、かなり独善的な人が多く、ある意味とても自信家だ。
そして、こういう自信の源は、自分の優位なコミュニティやドメインに閉じることにあるようだ。 特に、技術の話などをしていると、圧倒的に自分の知識=最先端/トレンド=正しい的で、あまり複数の情報リソースを持っていない事を感じる。
僕は、仕事遂行にとって、重要なスキルの一つが謙虚さではないかと常々思っている。 つまり、自分が知っている/経験した世界を唯一とせずに、やはり周りをみたり、聞いたりすることで、より次の次元にスキルアップできる。 こういう一面は、ヒアリング能力の差にでる。
かつて、一緒に仕事をした某通信キャリアのトップで、今や日本を代表する経営者である方は、とにかく自分の知らないことにどん欲で、多方面の専門家を呼んで、実によく話を聞いていた。 彼の凄いところは、その連れてくる専門家には、業界で第一人者と言われてるような一流な人も沢山いたが、在野の知る人ぞ知る的な人もいて、そういう人の地位や名声に関わらずフランクにディスカッションしていた。
そして、彼はそういう吸収するフェーズと、デシジョンするフェーズはきちんと別けていて、多くの情報や知識を吸収した上で、最終判断を素早くしていた。
結局のところ、ガラパゴス携帯と同じで、ある範囲でそこそこにうまくいってると、その居心地の良さが基準(アンカー)になって、フレーミングを脱するようなイノベーションは起こらない。 成長する企業と衰退する企業の差は、このあたりの経営者のマインドにあるのかも知れない。
振り返って、最近は、僕自身が仕事について古いフレーミングから脱することが出来ていないようで、この中途半端さをなんとかしないとと感じている。 いろいろなしがらみを、思い切って断ち切る勇気と計画を考える時期なのかもしれない。