三日間のWi-Fi Allianceのミーティングは、今日の午後で終了。 さすがに、IEEE802.11と違って、自分のチェアとかもないので、疲労度は全然少ない。
このWi-Fi Allianceでも、スマートグリッドのマーケティングとテクニカルのタスクグループがあって、SEP2.0への対応なども協議している。 しかし、調べれば調べるほど、僕にはこのスマートグリッド話のデジャヴ見えて来た。
それは、なにかというと、かつての(今もあるけど)ITSだ。 ITSも当初世界的な規模で標準化が進められ、いろいろな国で予算がついて、国際展示会や会議も大々的に開催れて、学術界でも研究会ができて、多くの人が関連研究に取り組んでいる。 ところが、実際にITSで国際的な標準規格が大きく浸透している事例というのは、少なくとも僕には見えていない。 日本では、ETCが普及したけどそれは、日本独自規格だし、電波のほうのDSRCにいたっては、最近アメリカでこのバンドをオークションにかけようという話まで出ている。
インターネットや電話といった通信の世界は、もともと国際間通信が必要で、その実現のために相互接続性が求められ、標準化に大きな意味もつ。 また、携帯電話や携帯端末、電池などのように、人が世界中を移動しても継続的に使う製品やサービスには、標準化の果たす役割は大きい。
これに対して、高速道路や自動車、鉄道などでは、国際間の移動というシーンは限定される。 もちろん、国際間=国間という意味だと、欧州は圧倒的に必要なんだけど、それはEUの規格として網羅される範囲だ。
電力も同じで、とても地域性の高い電力の供給-消費形態を、国際標準化が必要ですと言われても、いま一つイメージがわかない。 もちろん、家電製品などは移動性が高いし、世界中で同じものが作られる経済メリットが大きいけれど、大陸間や地域間の移動を伴わない電力について、果たして世界標準っていうのは、どうなのよって感じるわけだ。
ITSもそうだけど、アメリカで花火が上がって、関連予算がついて、そこにあざとく業界団体ができて、みなんが"これからは、これだ!"って、やってるだけに思えるのは、僕が天の邪鬼なのかしらん。
午後の三時ころに会議が終わったので、夕食までの間に市内を歩いて散策。 シュテファン寺院、ペーター教会、ミヒャエル門を通って、オペラ座側までくるっと散歩。 ザッハホテルの前で、1人合流して昨夜と同じ面子で、ちょっと裏道に入ったテディベアのシュタイフのショップの前にあったレストランで夕食。
ザッハトルテは、明日お土産に買うぞっと。