知り合いが社長を務める未上場のソフト開発会社で、創業家の株式が上場しているベンチャー企業に売却譲渡された。 これにより、社歴が40年以上のこの会社は、完全に創業家から手離れし、新たなスタートとなった。
この会社は、創業者の経営時代に、かなり厳しい状況になってしまい、外部資本を調達し、かつ社長を雇用して、事業再生をし、僕の知人が社長になってから、着実に業績の回復と財務の健全化が進み、直近では純資産も順調に増えていたので、とても良いM&Aの成立となった。
僕の周りには、起業した創業者が世代交代できずに、将来の不安に悩んでいる未上場の中小企業が沢山あるけれど、こういう世代交代の鍵は、結局は創業者の決心でしかない。
企業は、中途半端な状況で、創業者/経営者を失ってしまうと、そのあとはかなり迷走状態になり、最悪なパターンでは倒産となる。 創業経営者にとって、会社は自分の個人の成果物という考えが根強いようで、墓場まで会社を持って行くのではと思う人が実に多い。 しかし、社員、顧客、株主などのステークスホルダー全体に思いを馳せれば、こういう事業の継続を考えるか、生きているうちにきちんと解散する事が、最後の創業経営者の責任なのだろう。
それにしても、今回も知人の会社を買収した会社から着任した取締役の方達の経歴を聞いたら、いづれも共通の知人がいた。 相変わらず、世間は狭い。