またぞろ、ベンチャー投資、起業ブームなのか、ネットや書籍で、起業家論だったり、起業家になる条件はこれだみたない記事が目に付く。
そして、日本ではなぜ起業家が育たないかとか、日本でベンチャーを育てるにはみたいな、ご高説が多い。
たまたま、今日ネットで話題になった記事も典型的なのだが、起業家というのは、道徳や常識に縛られなかったり、組織の型に嵌ったりしない、際物じゃないといけないというイメージが蔓延っている。
日本からイノベーションを起こすには、変わった人を発掘しなきゃとか、起業家を育てるには、社会の枠組みから飛び出した人を許容しなきゃならないとか書かれてる。
確かに、ハッカーでも芸術家でも、多数の人と同じ事をするのでは、埋没していくから、とんがった感性やひらめきが必要というのは判る。
でもね、起業家やベンチャー経営してる人が、社会的に非常識だったり、道徳観念が低かったりする訳じゃない。
たまたま、大学を卒業したら既存の企業に就職するという人がメジャーで、起業する人がマイナーだからといって、メジャーな人が普遍的な常識者というのは、あまりにメジャーな側の一方的価値判断だろう。
起業する人に特殊な能力があるはずと思うのは、起業しない人が自分基準で作り出した幻想でしかない。
逆に、起業する人を基準として、起業しない人は、なんらかのスキルや背景に起業出来ない特殊な問題を抱えているのではないかという、問題提起をしたっていいだろう。
僕の周りには、沢山の起業家が居て、大成功した人も、苦労してる人もいるけれど、総じて道徳観や正義感、社会性に対して高い意識をもっている。
逆に、組織のなかでヒラメ型になって、物事の正義をきちんと言えない人達のほうが、利己的で道徳観が希有だったりすることは多々ある。
というわけで、起業家やベンチャー経営者が、なにか特別に変わった人じゃないんだぞ! と小一時間言いたい今日この頃。