研究している無線エミュレータで、高速時、高電力時の挙動に、納得のできない事象が発生していた。
このトラブルは、残念ながらかなり長い時間担当者が格闘していたけど、クリアできていなかった。
僕が担当者に支持した事は、とにかく問題箇所のきり分けをし、シンプルにし、不定要素を減らし.....という、当たり前の事だけだった。
こういうのって、言うは易しだけど、担当者は、どうも堂々巡りから脱せなかったようだ。
今日は、ミーティングをして、やっとその尻尾がつかめたという説明を受けた。確かに彼の見つけたブロックの特性が原因であり、その特性を修正すると改善されるというのは、リーズナブルではある。
しかし、僕のレビューでは、そもそもそのブロック自体が不要であり、特性を修正するのではなく、そのプロックを削除するという事になった。
実は、以前も同様の事があった。では、なぜこのような不要な機能ブロックをシステムに入れたかという点が気になった。
このシステムは、僕の設計では最初からフルディジタルなんだけど、初期の段階で、アナログ,ディジタル混在のものを開発した経緯がある。そこで、彼はディジタル部分を担当しており、今回はそのアナログ部分も全てディジタル化をした。
この過程で、彼はディジタル技術者であることから、アナログ回路の全ての機能ブロックを純粋にディジタル化しようとしたわけだ。しかし、ディジタル化した場合に、いくつかの機能ブロックは、論理的に不要になるのだが、その要・不要の判断には、そもそものアナログ回路の機能を理解している必要があり、その理解が十分でなかったわけだ。
しかし、こういうのは、誰もが一度はとおるもので、この件で彼は貴重な経験を積んだことになる。
無線に限らず自然界の多くの事象は、アナログであり、最初からディジタルで生成される事象や情報はない。従って、まずアナログとして事象や機能をしっかりと理解することは、ディジタル技術にも重要なことだろう。
今夜は、旧知の取引先り社長と、久しぶりに五反田の庭っ鶏という鶏料理屋で一献。相変わらず、流行っているなぁ。