今日は、朝から経産省のIoT推進ラボ の第1回 先進的IoTプロジェクト選考会議「IoT Lab Selection」に参加。EverySenseは書類による一次審査を通過し、今日の午前中に二次審査のプレゼン。二次審査は、28社が個別に四分野に分かれた審査員チームに対してプレゼンを実施 。この二次審査に通過した16社が、午後からの3次審査で再度フレゼンを行った。
プレゼンは、発表が7分なので、いわゆるピッチに近い。ただし、事前に申請書類や付属資料などを提出しているので、ある程度は審査員の事前知識がある前提になる。といっても、果たして審査員のうち、どれくらいの人が事前に書類に目を通していたかは、正直いうとあまり期待できない感は拭えない。
それにしても、日曜日の9時から始まって、表彰式、懇親会を含めて夜の9時までという、規模の大きさと、短期間で結論を出すという取り組みは、なかなかに主催側の注力度合いがわかる。
しかし、IoTだ、イノベーションだというわけだが、会場の景色はとてもそんなとんがった感じではない。事務局からは休日なので、カジュアルでと連絡が来て、ノータイな人が多いけど、色彩は圧倒的にダーク。そして、髪の毛の色は、黒と白で、茶色や緑もいないし、女性も限りなく少ない。
さらにいえば、たしかに制度としては大手でも応募できるので問題ないけど、スタートアップとかベンチャーより、多くの大手企業が参加しているのは、なんか日本的だ。当然、審査員の皆様も、それなりのベテラン揃い。そんなわけで、なんかかなり昔からの知り合い数人に、久しぶりに会ったりもした。
もともと、この公募では、IoT Labが、資金支援、メンター支援、規制緩和などの制度支援をするというものなのだが、プレゼンターの多くが求める支援を明確に言わないのも、奥ゆかしき日本のカルチャーかもしれない。僕は、ストレートに"お金下さい"って言っちゃったけどね。あと、7分のプレゼンで事前資料を出してるのに、自己紹介やトラックレコードの説明に時間を費やす人も結構多かったけど、こういうのはプレゼン慣れの問題なのかしらん。
でっ、結果的にEverySenseは、審査員特別賞なる表彰をいただいた。グランプリ、準グランプリx2と審査員特別賞なので、4/16にセレクトいただいたわけだから、素直にありがとうございますだ。
でもね、表彰してもらっといて、こういう事を書くのも気がひけるんだけど、ちょっと気になることがあるので、今後の参考までにやはり書いちゃおう。
それは何かというと、審査方法(審査員の持ち点とか、審査項目とか、集計の仕方とか)が公開されていないばかりでなく、表彰式での講評もない。だから、なんで選ばれたのか、何が良かったのか、何が足りなかったのかがわからない。僕の審査員特別賞なんて、声が大きかったからなのか、発表者の中で最高齢だったからなのか? 休憩時間に、座長のM先生が「おまえのプレゼンって怖いんだよな」って言ってたから、もしかして恫喝に聞こえちゃったのか? 小心者の僕は、お酒の力を借りないと眠れなくなってしまった。(仕方がないので、帰りに一杯したよ。)
イノベーションの源泉の一つは、オープンで公平な機会を与えることだと思うのだが、そういう意味ではIoTでイノベーションを創出しようという取り組みとしては、疑問が残るわけだ。
もちろん、準備や個別の相談などは、日本に限らずどこでもあることだし、積極性というのは、そういうところにも現れるから、これを否定する気はない。また、選民主義ではないけど、ある程度の有能な人達による裁量判断も否定はしない。だから、点数と評決だけで、なんでも決めるのが良いとは言わないけど、それを当たり前のようにクローズにしないで、せめて表面的にというかある程度はオープンな体裁を整えれば、この制度のアウトカムがより良くなるのではないだろうか?
今日は、時間の関係があったのだろうけど、後日でも良いので選考方法、選考結果、審査員の講評なども、ぜひ公開してもらいたいと切に願う。
それと、最後に座長も話してたけど、今日のはあくまでスタートであって、実際にこの結果を踏まえた支援策に対するアクションプランを、早期に知らせて欲しい。
昨年の暮れに、某監査法人のマッチングイベントでも、プレゼン大賞などをいただいたけど、あちらもその後のプランが見えない。まぁ、多分にお家の事情もあるかもしれないけど。あとは、この結果を胸に、ご自由にというのであれば、それはそれでエンプレムの一つとして、自分でお見合いをアレンジして、そのエンプレムを付けていくかどうかくらいのものと、割り切ることもできるけど、そんな制度ではないはずだよね。
いづれにしても、IoT推進の名の下に立ち上がった大きなムーブメントが、一過性にならないために、受賞者としての責任も感じながら、今後の発展につなげたい。
また、恐らくは連日の激務と国会開催中にもかかわらず、これだけのプログラムを運営された、関係官庁、事務方、休日にもかかわらず参加してくれた審査員他、多くの参加者の皆様には、感謝の意を表したい。
追記: そういえば、二次審査に通過した某大手が、3次審査を辞退したのだが、そうであるならば、最初から辞退して他者へのチャンスを与えるべきじゃないだろうか? 「自由闊達にして愉快なる理想工場の建設」を目的としていた尊敬すべき企業文化の会社が、こういう事を平気でするようになったのは、彼らのイノペーションの閉塞の表れだろうな。