僕のメインの仕事の一つは、電波系なのだが、こちらは規格とか標準化の問題がいろいろと大きな意味を持つ。ところが、これはIoTでも同じで、標準化をどうビジネスにつなげていくかは、日本の企業がなかなか確立できない経営戦略の一つのようだ。
呉越同舟で錦の御旗のもとに、全会一致を前提とするデジュールな標準に参加していた時代は、遥か昔の物語だ。かといって、乱暴に独自路線を突き進むガラパゴス的なオレオレデファクトスタンダートも、ネットワークを前提とした現在では、成長の阻害要因だ。
というわけで、オープンな場で、オリジナルなテクノロジーを、ルールに則って、スタンダートにしていく事が必要なのだが、このあたりはスタンダートを作るという発想で取り込まないと難しい。
また、標準化されたものを使うという意味では、単に外国で普及しているものを、使うというレベルでは、コモディタイズされたものしか使えなくなる。
たまたま、昨日のIoT-Labの会議で、規制緩和としてある電波の解放を訴えた参加者が複数あった。ところが、今日その同じ技術というか規格を、日本で使おうとしている人にあったのだが、彼のとこではちゃんと技術や標準を読み込んで、すでに日本の技適という基準に合わせて使える状況にある事を聞いた。
つまり、同じ名称のものを、片方は日本では使えないから規制解放をと言い、他方は日本でも使えるので日本での認証を得るという、面白い現象が起きているようだ。
これの二者の差は、表層的な名称たけで技術を選択し、使える使えないと言っているレベルか、その中身を技術的に知っているかの差だろう。
こういうパターンは、結構周りに多くて、規制緩和を声高に叫んで不満をぶちまけてる人にありがちた。実際に、単に対象となるものの名称と、そのままでは使えないという事象だけを捉えて、日本では世界で使えるxxが規制があって使えないと騒いでるだけだ。
でっ、ちゃんと制度とか技術がわかる人は、表層的なことではなく、中身を含めて、なにが使えないのか、使うにはどうしたら良いかを考える。この結果、限りなくAsIs で使えちゃったもんねなんて事もある。昨日、今日と遭遇した件は、まさにこんな感じだった。
どうも、右から左への人が、メーカーぽいことをやってる場合に、こういう騒ぎだけに陥ってることがあるようだ。