今日の午前中は、霞ヶ関で改めてEverySenseなお話しをさせてもらった。EverySenseの取り組みは、既存の社会基盤にはないことなので、どうしてもリーガルリスクも存在する。
僕がいままで起業して取り組んだ仕事では、いつもこういうことが伴ってきた。最初のスペクトラム拡散の無線機を開発した時には、空中線利得の規制を変えてもらう必要があった。そして、次の公衆無線LANの事業では、諸般の事情から第1種通信事業者として行うことになったけど、当時の事業法では無線LANなんてものを、通信事業者の回線とし、公益特権により基地局展開なてんいうのはいかがなものかとなった。 当時、憲法論まで振りかざした大手さんは、いまや当たり前のように同じことをしているけどね...(おっと、もう時効だよね)
そして、今度のEverySenseは、規制緩和以前に、初物なりの様々な社会的課題を内包していると思っている。しかし、これらを明確とは言わなくても、ある程度社会的コンセンサスを得られる条件で、健全に推進しないと、結局のところその基盤時代が創生できなくなることを、僕は一番恐れている。
ベンチャーとしては、こういうのはちょっと気にしすぎで、もっと簡単リーンスタートでいいじゃんとか思う人もいるかもしれないけど、僕は意外とコンサバなのだ。
そんなわけで、霞ヶ関の方の理解を得ることも重要だ。こういう話しをすると、前例主義と言われる官僚に説明するのは大変でしょと思う人が多いのだが、それはルール確定された世界の手続きなどの話しだ。
幸いに、今日お会いした数人の官僚の方々は、大局的な考えで政策策定などを捉えており、EverySenseの目指すことの本質を理解していただけたと感じる。
よく、イノベーションと規制緩和を、対抗軸で評する人がいる。しかし、本当に取り組む事業がイノベーティブであるならば、規制緩和や規制改革だけでなく、規制創出も含めて、制度設計とは、大きく協調する部分があるはずだ。
公衆無線LANは、それが世の中で認められて今日の環境になるまで、事業を継続できなかったけど、EverySenseでは、時間がかかっても情報流通経済の時代が来ることを信じて進む気持ちを確かにした日だった。