台風接近のなか、津田沼で開催された某学会の某研究会に、招待講演のために出かける。幸いに、余裕をもって出かけたので、雨は酷いものの無事にに会場入り。
午後は、僕を含めて四人の招待講演で、それぞれ標準化に関係している人たちによる標準化関係の講演となった。プログラムは、各人質疑応答を含めて50分の講演時間と、そのあとに後援者によるバネルディスカッションとなっていた。
ひとり50分というのは、質疑を10分だとしても、それなりに内容の配分や、訴求ポンイトを明確にして、メリハリをつけないと、聴衆にとっては苦痛になる。工学系の技術ネタなので、往々にして笑いをとったりするものではないけど、それでも何かを伝えたいのであれば、構成や時間配分は、とても重要だ。
そんななか、今日の講演では、信じられないくらい時間を無視した、長広舌な演者の方がいた。この結果、プログムラムは、一時間近く押してしまい、最後のバネルディスカッションは、30分に短縮となった。それでも、全体のプログラムの終了は、30分以上遅くなったわけだ。しかも、オーディェンスとのディスカッションが想定以上に盛り上がってとかではなく、昔話、自己アビール、自己陶酔でスライドと語り合われてしまったのだから、いただけない。
その上、今日の場合は、台風の影響で交通機関の運行状況もかなり不安定なことは自明だった。だから、それなりに社会生活の長いベテランなら、そのあたりの配慮をして、全体として早めにというくらいの気持ちがあってしかりな状況であった。
国際標準化のように多くの国や組織から様々な人が参加して協議する会議などでは、Agendaをきちっと守ることは、最低限必要なマナーだ。もっとも、標準化の舞台では、牛歩戦術的にフロアー(意見を述べる場所)で長広舌をして、審議時間を意図的に消費させ、反する人の意見陳述を妨害するなんてことはある。しかし、こいうときには、チェアが時間制限をするのもリーダーシップの重要なスキルだ。
今日の研究会では、国際標準化の技術的な話だけでなく、国際標準化の舞台で活躍する若い研究者をどう育てるかなども重要な論点だったのだ。しかし、大ベテランの人がこういう配慮のない行為をするようでは、とても若い人を育てるなんておこがましい事は言えない。
いまのベテランの世代が、若者がとか、最近はとか言うのは、自分の背中をみていた若者を否定することであり、それはそのまま自己否定だろう。次世代を育てるのにはどうしたらよいとかいう議論は、結局のところ「あんたが、やってみせろよ」という話になるのだろう。もちろん、世代、年齢、経歴によって、今現在実践してみせれるものは違う。それであるならば、過去の経験談だとしても、それが次世代の糧になるような話し方、伝え方をするほうがよいだろう。
誰かが書いてたけど、若者に嫌われる年寄りは、昔話と自慢話だそうだ。僕も、最近はその傾向があると自分で辟易するので、今日の研究会は、もう一度、自分を律する機会になった。