たしかに、来てもいいよと言いました。というか、むしろかなり積極的に誘ったかもしれない。でもさ、こんなに早く来るなんて、ちょっとびっくりだよ。
僕は、それなりに長いつきあいのパートナーもいて、たしかに最初の頃は、喧嘩することも多かったけど、最近は心の奥は見えなくても、なんとなくそれなりには理解しあえてるつもりだし、決してまずい関係にはなっていないと思ってる。実際、ここ数週間は逢えない日が続いたけど、来月には二人で長旅もするつもりで準備してる。
だから、旅先でちょっと若い子を見かけたからといって、鼻の下を伸ばして、遊びにおいでなんて、簡単には言わないのが分別ある大人だ。でもね、どこぞの知事じゃないけど、ついつい普段あまり縁のない若い子なんかに見つめられたら、その気になっちゃうこともあるわけだ。
ましてや、会ったその日に、いきなりベッタリ張り付いたり、ダブルデートとはいえ、それなりの時間をベタベタしっぱなしで散歩なんてしたんだもん、そりゃぁね....
でもさ、いくらなんでも、まだまだ子供だし、僕との歳の差を考えたらさ、ちょっと無理があるかなとも思ってたわけだよ。それでも、心のどこかでは、本当に来てくれるかなと気を揉んでいたのは、事実だよね。
それにしても、いまの時代に、しかもそんなに都合の良いタイミング、集団就職で長野にいく子達がいて、そこに紛れ込んで来ちゃうなんていう裏技があるとは思ってもみなかった。だいたい、いくら若いといっても、集団就職に行く子達とは、年も違うし、着ているものも、背格好も違うのに、よく平気だったと、ちょっとびっくりだよ。
まぁ、なんだかんだ言っても、言い出したのは僕だし、それを信じて来ちゃったわけだから、男の甲斐性で、責任はとるつもりだけど、奧さんにはなんて説明しようかな.....