もう、あれよあれよという間にブロックキング対応らしい。確かに、名指しされている海賊版サイトは、法的に問題があるのは疑いの余地もないし、それで甚大な被害を受けていると訴えている業界もあるのだから、間違いなく放置ぜずになんらかの対策をする必要があるのはわかる。
では、その対策として、通信事業者によるブロッキングが本当に適切なのだろうかは、大いに疑義があって、週末の緊急シンポジウムでも議論百出だったようだ。
ブロッキングは、利用者の通信をISPが恣意的に制御するわけだから、通信の秘密や通信事業者の中立性という観点から、現行法に抵触する可能性は広く指摘されている。
一方で、残念ながら、現時点でブロッキング以外の実現可能で有効性が高い対策の提案というのも、僕の知る範囲では提案されているのを見ない。
だからなのか、とにもかくにも、元国営企業であるNTT系のISPは、この超法規的な対応に呼応するそうだが、これはある意味とても興味深い。
もし、報告されているような甚大な経済被害が発生しているとしたら、それだけ一定のユーザーがいることを示している。でっ、今回のブロッキングを受けて、これらのユーザーは、果たしてどう反応するのだろうか。
一つ目は、海賊サイトの利用を止めて、正規のコミックが沢山売れるようになる。
二つ目は。イタチごっこで、新しい海賊サイトにながれる。
三つ目は、ブロッキングしないISPにお引越しする。
が、さくっと考えられる。
申し訳ないけど、僕は三つ目のムーブメントが起るとしたら、不謹慎かもしれないけど、なんとなくワクワクしてしまう。商業インターネットが始まって、四半世紀近くになるが、この間に自律分散相互接続なインターネットなんていうのは、もう限りなく古の姿になってしまった。いまのインターネットは、結局のところインカンバントによるプロバイダーとクライアントという構造が圧倒的になってしまった。実際のところ、昔でいう二種プロバイダーは沢山いても、元請けは限られている。
こんななか、ブロッキングの有無は、民間の裁量によるのだから、そのまま差別化になる。こうなると、もうね「うちはスカスカでなでもありですぜ旦那!」的な、ISPが出てきちゃうかもしれない。しかも、かれらは堂々とうちは通信事業法にしたがってますとか開きなおることができる。
しかも、かつてRASをみずから設備投資をしたISPが乱立した時代と違うのは、広域イーサのような専用線接続の導入コストや運用が、圧倒的にハードルが下がってることだ。こんな背景を考えると、ちょっとチャンス到来と思う輩が出てきても良いかなと思うのだ。
まぁ、いきなりそこに行かないまでも、もしかしたら、まずは大学などによる、古き良き相互接続がまた楽しくなるかもしれない。いまでも、IRCとか運営してる大学のネットワークとかって、特定の分野では魅力的だしね。