仕事はじめで午後から東京へ移動。事務所に顔を出して、少し書類整理をしたあと、夕方から知り合いの音楽家と久しぶりにお会いする。そこで、きょうはとても興味深い話しを聞いた。それは、楽曲の権利処理についてだ。楽曲は、楽譜という有体物になるかどうか別にして、誰でもコピーして演奏することが何度でも可能だ。そういう部分は、データに似ている。
楽曲を創造した音楽家たちは、それらを著作権管理団体に登録するのだが、そのインセンティブは必ずしも他者の利用から得る著作権料収入だけではないらしい。ある意味、自分のオリジナリティが認められるということと、誰かが盗用した場合にクレームしてもらうという、いわば用心棒的存在としての価値があるとのことだ。
これは、まぁみかじめ料みたいなもので、その起源は比較的新しく、やはりハリウッドなどではないだろうかとのことだった。これって、まさに興業の世界らしいのだけど、こういうアナロジーはデータにも使えるかもしれない。
ただ、データが難しいのは、楽曲のように演奏という行為が見えない点だ。データを窃用した人が、自分のために使っていても、それを知る術がない。演奏でいえば、オリジナルが全くわからない編曲をされてしまったら、さすがに原曲の権利者がそれを察知できないということだ。
それでも、有益なデータは、多くの人が参照して使うのだとしたら、なんとなくこのアナロジーもありかもしれないなぁと思った。