今日の日経に総務省、通信各社からヒアリング・NTT批判が続出という記事があり、その中に
"小野寺社長は「NTTの加入者回線部門を分離すべきだ。そこに当社が出資してもいい」と発言。これに呼応してソフトバンクの孫正義社長も「光の加入者回線を敷設する共同出資会社を通信・放送など民間各社で設立してはどうか」と提言した。 "とある。
有線の加入者線設備は、もともとNTTが税金で施設したんだから、もっと開放するべきだというライトオブウェイの話しであり、まぁその要求は当然だろう。
一方で、昨日の日経にはソフトバンク、携帯向けに番組放送――来年にも免許申請 という記事がでている。
地デジ以降後のUHFを使って放送事業をするために、放送事業免許を申請とある。
有線系では、散々NTTの独占はけしからん、開放せよ、、足回りは0種キャリア的に共有しても良いと訴えている事業者が、電波については、自らに排他的に割り当てろと主張する。
有線は、一つの家に銅線や光を複数本施設することが出来、各々の帯域は独立して確保できる。 一方、電波は多重化により個々の帯域が確実に減るので、有線よりはるかに排他的な性質をもつ。
それにも関わらず、皆電波割り当てについては、排他的独占割り当てを強く求める。 この背景には、電波資源が有限であり希少であるという認識があり、一定の電波割り当てを受けること=排他的権益が確保されることと思われているためだろう。
地デジの跡地利用について、放送用免許とか放送用電波などという概念ではなく、汎用ディジタル通信用の電波資源割り当てをすればよく、その上でTV放送的なサービスを行うか、VOD的サービスを行うのか、電話のような相互音声通信サービスをするかは、別なレイヤーの話しだ。
電波資源の物理的な割り当て、配分と、その電波資源上で利用するアプリケーション資源の配分は、分離することが望ましい。
これは総務省の事業行政(通信事業、放送事業)と、電波行政を分離することそのものなのだが、これには反対者も多いだろう。
携帯新規参入やWi-Maxなどで電波利用を要求している企業は、何年か後に他の新規参入事業者が有線の場合と同様に、電波の利用を開放しろと要求してきたら開放するべきだと思っているのだろうか? それとも、いまのNTTと同様に”投資したはの自分たちなので、その利用裁量は自分たちにある”と主張するのかがとても興味がある。
MVNOをやりだすことで、アンバンドルが進むか、逆に事業オーナーシップを握ることの旨みに固執していくのかは、見ものだ。
ところで、霞ヶ関の方から別件でメイルをいただいたのだが、その中でこのBlogを読みましたとあってびっくりした。