LivingStoneにある、電話会社をたずねて、仕事関係のヒアリングをする。 この町は、東西4マイル、南北5マイル程度の大きさで、人口は7,000人。 電話の加入者数は、9,000加入だそうだ。 これは、住宅以外に、店舗や企業がそこそこにあることを示している。
この電話会社は、この町だけにサービスをしているのだが、いまは電話以外にIPトリプルプレイで、TV放送とVoIP、インターネットアクセスを提供している。 町の中には、5箇所程度の無人局があり、それらをセンターからスター状にギガビットイーサ/光で接続し、RTから各家庭をADSLで接続している。
以前にも、日本と欧米の違いは、コミュニティの存在であり、それぞれが独立性をもっていることを書いたが、こんな町でも、独立した電話会社が、独自のサービスを展開していることに驚かされる。 テキサスだけでも、電話会社は50社以上あるそうだ。 実際に昼飯に入ったレストランでは、隣町の電話会社の人間もきていて、挨拶を交わしていた。
ATTが解散されて、CLECが出て、一次CLECの経営危機が叫ばれたが、いまは、高付加価値サービスを独自に展開し、がんばっている。 しかし、この電話会社の経営者は、100年同じファミリーがやってるということだが、そもそもAT&Tは、もとから地域では地域の有力な事業家などを組織していたのだろうか。 だとすると、民営化というのは、日本も同じだか、そもそもそれ以前の電話会社の組織形態は大きく日本と異なっていたのかもしれない。
早朝にヒューストンを出て、ダラス経由でサンノゼに移動する。 昼に到着して、午後のミーティングまで時間があるので、オフィスに行く前にミツワ(旧ヤオハン) サンノゼ店に寄り道。 海外に行った時には、こういう在外邦人が集まる場所に行き、コミュニティ誌などをチェックしている。 アメリカの場合、U.S.Front Lineとかは、かなりメジャーなようで、どこにでもある。 まず、こういう在外邦人コミュニティーの雑誌で、多い話題と広告は、各種法律系(不動産登記、ビザ申請、税務)、航空券というところまでは想像しやすいだろうが、その次にくるのが健康食品と、ビデオレンタル系なのだ。 医療制度の関係なのか、あるいは薬とかはなかなかわかりづらいせいなのか、とにかく酵素だとか漢方薬だとかの広告が目立つ。
さて、海外でビデオとなると、やはり話題は以前にも書いたインターネットを使った海外での放送視聴だ。 今日チェックしたFrontLineにも、日本の会社が海外で日本のTVが見れますというサービスの広告を一面で出している。 この類は、以前にもインターネットと放送のことで触れた。 いま、日本ではNHKの海外向け番組を強化するとかいう話題がでているが、もはや海外向けというよりはグローバルなインターネット向け放送を強化するほうが早いのではないだろうか。 CNNだってブルンバーグだって、インターネットでの放送に力を入れている。 ビデオのレンタル屋の店先には、合法なビデオだけでなく、著作権的に??と思うものも並んでいる。 放送事業者が真剣にインターネット放送に力をいれたら、在外邦人向けの広告収入だって、別枠で得られるのではないだろうか。
今日の拾い読みのなかで、気になったのは楽曲やビデオが大量に収録されているiPODがネットオークションで売買され始め、著作権違反について疑義が生じているという話題。 中古CDの転売と一緒だという考えもあるかもしれないが、iPODの価格が安いので、そこにコンテンツを大量にいれて、高い価格で売ろうとしているとしたら、明らかに不正コピー販売だろう。
もうひとつは、ウェスタンユニオンが電報事業を廃止したことが記事に出ていた。 もはや、イーメイル、SMSの普及で、電報を使う人はなく、2005年の取り扱いは2万1000通だけだったそうだ。 日本では、音が出たり、匂いが出たり、はたまた豪華なケースだったりと、いろいろと工夫があり、冠婚葬祭では、それなりのプレゼンスをもっているのだが、いつまでこれが続くのだろうか? そのうち、冠婚葬祭の時も、祝メールの披露とかいって、プロジェクタでビデオメールとかを紹介するようになるのではないだろうか。 もっとも、老若男女がインターネットを使えるようになったらだけど...
日経に、ソフトバンク、ボーダフォン日本法人買収交渉という記事が出ている。 いままでに、何度も噂にはなったが、こんどは噂ではないようだ。 既に携帯電話事業の新規参入割り当てを得ていたわけだが、加入者数が飽和している携帯電話事業での加入者争奪争いを行うとしたら、圧倒的に新規参入事業者は不利だ。 インフラ構築をしている間にも日々既存事業者はサービスの充実と、利用者の囲い込みを進める。 そういう意味で、この話しは新規事業者から一気に既存事業者になってしまう最強の手だろう。 また、これにより、周波数が不足しているといわれている既存事業者のなかで、彼らだけは新規割り当て周波数も得ることになるので、インフラリソースでは、DocomやKDDIに対して優位性を持つかもしれない。(それが事業の優位性になるかは疑問)
しかし、一兆円を越す買収となると報じられているが、一時の買収金額も大きいが、その運用費用はそれ以上に持続的に発生する。 これで、ソフトバンクは、日本テレコムの固定通信、携帯電話、移動体データ通信(新規参入分)、インターネットという全ての通信網をもつことになる。 こういう事業投資の先に夢見るのは、加入者囲い込みによる、サービス収入で、TVをみても、電話をかけても、買い物をしても、チャリンとお金が入ってくるモデルなのだろう。 他の産業でもあるように、こういう事業の拡大の次にくるのは、集中と選択で、いづれこれらの網のどこかを切り捨てたり、サービスを取捨選択する時期が来るのかもしれないが、いまは想像もつかない。
ソフトバンクは、日本の通信事業を大きく変えたが、それは駅前の落下傘部隊による営業や価格破壊だけではなく、多くの技術的にも革新的なアイデアがあったし、それらを支えたのはインターネットな学術研究者達ちだった。 いわば、ソフトバンクがバカの壁を破ったわけだが、意外とその事を評価する人は少ない。 いづれにしても、将来(すでに今でも)日本の産業史を振り返る時に必ずソフトバンクの名前が語られることは間違いない。 長いNTTやKDDIの歴代経営者の中で、史実に名を刻んだ経営者が何人いるだろうかと考えると、なかなか匹敵する人は思い浮かばない。
日本でも同様の広告をよくみかけるが、”IP電話で世界中どこでも、定額で電話がかけ放題”という類のVoIP事業は花盛りだ。 今日は、昼食を食べに入ったファストフードの駐車場で、WiFi2Voieなる会社の広告車を見かけた。 音質や価格が本当に安いのかは、なんとも言えないが、まぁ こいうビジネスは本当に多い。 確かに、どこの家(誰でも)も限りなく100%近く使っている製品で、サービス料金を取れるモデルは電話なので、いろいろなビジネスが昔からあるのだろう。 分あたりxx円安いとかいわれても、結局年間いくら安くなるかと思うと、ちょっと??と思ってしまうが、普段倹約家じゃない人でも、電話ビジネスのセールストークには、弱い人が多いのは、なぜなのか不思議だ。
日本ではソフトバンクのボーダフォン買収が話題になっている携帯電話だが、ここアメリカでは、ブラックベリーが大ヒット中のようだ。 日本では、i-Modeが多機能電話をリードして、一種の携帯付加価値マーケットを作ったわけだが、この類のスマートホン的なやつは、いまいちだ。 携帯でブラウザ、インターネットメール等が出来る、どちらかというと携帯電話機能つきPDAみたいなものだ。 実はGSM圏では、香港などのアジアのビジネスマンが結構早くから使っていたし、かつてはノキアがホットドックと呼ばれるキーボード付の携帯を出したがいまひとつヒットしなかった。 ここにきて、ブラックベリーに火がついたのは、GPRSによる帯域の高速化が背景なのだろうか? 日本でも、ドコモが昨年あたりから、M1000を売り出したが、あまり使ってる人はみない。 M1000の場合、iModeが出来ないのがちょっとマイナス材料なのかもしれない。 ここに来て、日本の携帯端末もサムソンなどか進出しはじめると、すこし変わってくるかもしれない。
NPOのサーバーが、どうもHDDの不良らしくI/O errorがでて、FSへのアクセスが出来ない状態になっているらしいことが出先からもわかっていた。 帰宅してみると案の定I/O Error、リブートしようとしたら、ついにBootセクタも読めないようだ。 完全にHDDがお亡くなりか、HDDとのインターフェイスかは不明、とりあえずネットワークから外す。 明日メーカーに電話してみよう..困った。
夕方4時過ぎに成田に帰国。 最近、どうも飛行機の中で時差調整に失敗するのか、帰国時に頭痛に悩まされることが多い。 今日も頭痛がきつく成田からの移動の間もつらかった。 夜は、大手電機メーカーで携帯電話の開発をしているS氏と会食の約束があり、大塚で途中下車しれもんにて会食。 ここは、身内のお店なので、興味のある人はぜひご来店を。 頭痛のために、ウーロン茶を飲んで、少し食べ始めたらようやく回復し、生ビールで明かし焼きとあいなった。
明石焼きは、兵庫県明石の名物で、地元では玉子焼きとも呼んでいる。 じん粉という粉をつかって、卵とだし汁で溶いたものを、銅の専用の鍋で焼いて、朱塗りの板にのせて出てくる。 これを、だし汁につけて食べる。 一時、都内でも繁華街の大型店舗でも出していたと思うが、ちゃんと明石出身者がやってるところは、少ないかもしれない。 久し振りにGoogleってみたら、詳細なBlogを発見したのでトラックバックさせてもらいました。 これからも、ご贔屓に。
中途社員に対する研修会で、会社の中期戦略などについての講師をする。 30分という限られた時間で、将来のビジョンなども含めて説明するのは、なかなか難しい。 新卒社員と違い、中途入社社員の場合は、社会経験があること、研修時点で既に着任以降一定時間が経過していることから、ある程度は共通の言葉が使える。 ところが、会社というのは規模の大小に限らず、その会社固有の文化や習慣がある。 日本人は何でも略語にするが好きなのだが、各会社固有の略語なんていうのがどこにでもあり、これを理解するのにはちょっと時間がかかる。 かつて、某大手電機メーカーの関連に在籍したことがあるが、ここの場合は部署名がとにかく略語だ、しかもその表記を四角で囲うのか、丸で囲うのか、楕円で囲うのかなどにより、組織の規模が変わったりする。 新卒で入った人にとっては、こういう略語がその会社固有のものなのか、世間一般で通じるものなのか判らないため、時に社外の人と打ち合わせをしたりする時に、そのまま社内用語を使ってしまうことがある。 こうなると、聞いてるほうは、頭の上に?マークが三つくらいポン・ポン・ポンと出てくるわけだ。 中途採用者の場合は、いままで通用した用語が新しい職場ではなんという用語にあたるのかなどの変換をする必要がある。 転職によって、頭の中を綺麗にして、リスタートできるならばいいが、そうでない場合には、変換というプロセスになる。 人間は過去の記憶や認識を変えるのは、その過去の歴史が長いほど抵抗があるので、これがまた厄介なものだ。
というわけで、今日の研修では可能な限り社内用語は使わないように心がけたのだが、それでもきっと無意識のうちに使ってるに違いない。 残念ながら、今日は持ち時間の中にQ&Aの時間が取れなかったが、今後はやはり認識の確認のためにQ&A時間を持てるように、モデレーターに依頼しようと思った。
ところで、僕は中途採用研修を受けていないんだけど..って
午前中は、オフィスで会議に出たあと、午後から京都に移動する。 京都に新たに研究部門を設置するための打ち合わせで、4月から新しい研究員を迎え入れるのと、既に京都で在宅勤務をしている者とで、スタートする。 グループ会社として、京都に事務所施設があるので、そのなかに間借りをする形となる。 といっても、いまの施設利用もグループ会社の研究開発部門なので、村的な線引きは不要だろう。
事務所で打合せをしたあと、京大の懇意の先生のところに伺い、今後の展開などざっくばらんに意見交換を行った。 京大とは、2000年頃にIPv6を使った、モバイルIPの基盤構築を行う研究を共同で行ったのがきっかけで縁ができた。 そのご、2001年頃に、こちらのNPOであるSCCJの主催する京都研究会で夜なべの議論があり、みあこネットという自営型広域無線LANのネットワークへと発展していった。 このSCCJは、いまどこカルネットという電子カルテを中心とした事業を新規に取り組んでいる。
NPOというと、なにか収益をあげないように錯覚をされがちだが、基本的には法人であり、その運営は民間企業の経営となんら変わるものではない。 したがって、その責任者や運営者は、民間でいうところの経営者であり、経営陣であって、求められる資質も限りなく近いだろう。 なんらかの事業を営み、結果として収益が出た場合に、それを自らの事業に再投資することは可能だが、会員(法令上は社員と呼ぶが、民間企業でいう株主にあたる)に配分することができない点が大きく事なる。 つまり、会員にとって直接的ROIは期待できないものだ。 NPOの経営者の資質として、民間企業のそれと違うものとしては、おそらく公的側面や、社会に対する公平性や正義感などが、より強く求めらる点なのだろう。 兼任ではなく、専任の職員や理事で運営されるNPOというのは、それなりに核となる事業が必要であり、その運営では、民間企業と同等かそれ以上の経営ノウハウが必要だと思う。
僕の主催するNPOは、まだまだこれからなのだが、いままでの企業経営とは違う要求にいかに呼応してけるかは、僕自身にとっても大きな課題だ。
基本的に二足のわらじを履くことは嫌いなのだが、立場を使い分けて、公私混同、NPO/仕事の混同をしないことを強く意識していきたい。 モバイルインターネットに関する任意団体MBAは、設立発起人であり、いまも、理事を勤めさせていただいているが、ここの場合、事務局が独立して、きちんとした運用をしていることがとても心強い。 やはり、理事長などのリーダーシップは必要だが、コンプライアンスやガバナンスという意味では、事務局や決議機関(理事会など)の運営と、独立性が重要となる。 ちょうど、民間企業での社外取締役や委員会等設置と似たようなものだろう。
夕方は、京都に配属される研究員と、グループ会社の研究員らと、京大の近くの居酒屋で一献。 鯨の竜田揚げを久し振りに食べた。
NPO楽っ子のサーバーのHDDが死んでしまい、結局ブートすらしないので、修理することにしたので、http://www.racco.orgは、現在死んでいる。 やっと、一連の更新が終わったところなのにぃ!!! サーバーといっても、WEB、Mail、Mailing List、DNS程度で、コンテンツはWEBの内容であり、そちらは作ったばかりだったので、まぁなんとかなる。
それにしても、HDDがまったくブートしないので、一応HDDの円盤なのか、インターフェイス基盤なのか判らないのだが、インタフェィス側だったら嬉しいのだが、いまは結果を待つばかりだ。
夜は、無線LAN系のミドルウェア会社の日本担当副社長らと会食。 この類のビジネスは、シリコンベンダーがリファレンスデザインとして、どんどん上流も含めてソースコードなどを提供してきているために、なかなか住み分けと存在が厳しくなっている。 いまや、多くの電子機器は、そのコアとなるチップベンダーにより、プラモデルのようにリファレンスデザインによるハードとソフトが提供されてしまい、新たらしい機能などは、完全にシリコンベンダーがリードしているからだ。
ルーティングプロトコルのZebraを開発していた知り合いらが起業したIPinfusionが携帯用ソフトのACCESS買収された。 こちらも、ミドルウェアの会社だ。 ミドルウェアベンダーというのは、他社に無い機能やプロトコルを持ったミドルウェアを作り、デファクトスタンダートとなるようなものでないと、ソースコードだけ買って参考にされて終わりとなるのかも知れない。 あとは、やはり先行したナレッジを生かして、人材を教育し、ミドルウェア+人材派遣というようなビジネスモデルで、生き延びるという手はあるかもしれない。
HDDが認識できなくなったNPO楽っ子のサーバーは、結局HDDではなくHDDとマザーボードを接続するケーブルに不具合があったとのことで、HDDの内容を失うことなく無事に復帰した。 (^0^)
ようやく、入会申し込みもHPからフォーム入力でできるようになったし、山梨の施設もいよいよい今月にはグループホーム棟が完成するので、このNPOの活動も本格化することになる。 当初は、グループホームからスタートし、デイサービスなどを順次増やしていこうと思っていたが、グループホームのほうが入居者の募集や適正判断などもふくめて時間がかる。 そこで、まずはショートステイやデイケアからスタートすることなった。 そろそろ、NPOの方も、会員向けのページ拡張や、リンク、ニュースなどの発信をスタートしないといけないのだが..事務局長様は、まだアピバでお勉強中なので、もう少し時間がかかるも知れない。
今日は、マルチホーミング等を一緒に研究している研究者と、札幌でミーティングのため、朝から札幌に移動する。 この研究では、複数の研究機関で、End to End Multihome を使ったIPv6ネットワークの実装と応用を研究している。 基本的には、一箇所に集まることなく、ネットワークで分散して仕事をしているのだが、時にこうして一同で介することも重要だ。 夕方まで、今年の成果の取りまとめと、来年度の打合せをしたあと、会社の事務所に顔をだして、南一条のビジネスホテルに投宿。
京都から来ている研究者と2人で夕食にでる。 ホテルの近くの居酒屋七福神商店を、ホテルのフロントで紹介してもらう。 カウンターにも座敷にも囲炉裏があって、炭と醤油の焼ける香りが漂っている。 焼き物の盛り合わせと、刺身の盛り合わせで一献。 これはボリュームといい、内容といいとてもリーズナブルで、味もOK。 とにかく、こういう食べ物が安くておいしいのは、地方都市のいいところだ。
午前中に東京にもどり、空港からOfficeへ。 某独立行政法人の公募研究への応募書類の作成を行う。 最近は、この類の申請は、電子申請で行うことがかなり増えているが、なかなか簡単ではない。 一般にはPKIに基づく諸々の証明書の交換などの手続きが必要であり、とても素人にできるものではない。 こういうのは、おそらく専門的にセキュリティを担保するには、これこれが必要でとして始まっており、それなりに意味があるのだろうが、その前提は電子申請だからというバカの壁が立ちはだかっている気がする。 つまり、電子申請=全てをインターネットでという前提だ。 実は、幾つかの工程のうち、ほんのちょっとしたことを、非電子的あるいは、郵便などで行うだけで一気に問題が簡単になるのではないだろうか?
過日、某ネット専用証券会社の口座開設手続きをとったのだが、これなんかはまさに良い事例だ。 某大手証券会社の場合、電子的な取引もできるが、デフォルトは全て従来の業務フローで、担当者とのメイルの連絡さえも出来ない。 一方、新興ネット証券の場合、当然ながら担当者とメイルの連絡はつく。 それでも、重要な事項については、郵便などと併用だ。 大体こういういセキュリティなどの話は、常にポリシーと利便性のトレードオフであり、強いものが絶対というわけではない。 それにも関わらず、はじめに頭の固い前提条件を設定してしまうと、とんでもなく不便というか合理性の無いものが生まれてしまう。
確定申告なども、インターネットで申告書を作るのは簡単だが、それを電子申請するには、それなりの手順が必要だ。 しかし、とりあえず申告書作ったら郵送するという、折衷案が用意されているので、多くの人はこれを使っているようだ。
とにかく、技術的な良さと、実際の利用者の良さは100%一致するわけはないわけで、あとは実際の利用シーンをどれだけイメージできるかが、システム設計の肝なんだろう。
韓国でのデモとミーティングのために、午後に羽田から金浦へ移動する。 東京は、今日はとても暖かかったのだが、ソウルに来るにはコートが必要だと思っていたが、それは正解でソウルは寒い。 夜、カンナムのホテルにチェックインし、福岡でく一緒に研究してる研究員と合流。 ホテルの近くの李勇仁でミノを食べる。 以前に来たときは、座敷のあるエリアだったが、今日はふたりなので、テーブルのある入り口側のエリアに入る。 観光客向けではないので、若干オーダーに手間取るが店の自慢のミノなどを無事に注文し、舌鼓をうつ。 韓国の場合、どこでもそうだがまずはキムチなどが沢山出てくる。 十種類くらいあるので、これだけでも十分じゃないのかという感じだ。 以前に、この類の前菜の食べ残しが多いので、こういうキムチの出し方を禁止する法案も検討されたらしいが、結局は浸透しなかったらしい。 とりあえずは、ビールでカルビやハラミも堪能する。 食べてから写真とったから、全体のミノの大きさが判らないかも... その後ホテルのバーで軽くのんで就寝。
朝からソウルの客先に、機器を搬入してデモの準備をする。 通常に販売している製品に、顧客の要求に合わせ新しい機能を付加したため、日本でその実装と試験をし、それを送り込んだ。 とうぜん、日本での試験をしたものをそのまま持ち込んだので、荷物を解いて1時間もあればデモができるはずだった。 ところが、マーフィの法則によって、デモはうまく動かない。 諸々の変動要素を切り分けていき、原因を探り、日本で改版を加えたコードが反映されていないことが判明。 その原因を別な手法で回避すると、問題解決するので、原因の特定もできた。 午後から、もう一名の日本の研究者が合流し、改版したコードに差し替えて、無事にデモができた。
製品を開発した場合品質管理の基本は、人、モノ、場所を変えて、検査、試験をすることだと常々言っている。 今回の場合も、改版したモノをちゃんと別の場所で、一からシステムを組み立てて、動作させていれば、防げた事だが、したつもりになってしまったのか、その後になんらかの違うプロセスが介入したのか、結果的には無駄な時間を、相当に費やしたことになる。
デモの後の打合せで、諸々顧客の要求事項とのすり合わせをする。 この中で、リアルタイムなんていう言葉が出てくるのだが、リアルタイムの定義において、詳細なすり合わせというか意識合わせが必要だったりする。 そういう、不明瞭な用語の一つ一つをちゃんと聞き出しながら、要件定義が明確にできれば、システム提案や設計が正しくできるのだが、なんちゃってエンジニアだったり、SEだったりすると、ここがまず出来ない。 僕は若い頃GMワインバーグの本をよく読んだ。 彼の本は、1980年後半に、日本でも随分と翻訳されて出版されていたが、こういうシステム的思考学(工学じゃないよ)については、情報処理に限らず工学部などでもきちんと教えるべきだろう。
朝からSKYPEで本社と会議をした後に、ソウルの事務所に移動。 韓国でのビジネスについての報告を受けたあと、昼食にでる。 龍水山で、韓国風懐石料理を、現地のスタッフらと楽しむ。 基本的には、天婦羅や胡麻和えなどから始まり、豚の三枚肉など多種多彩という感じで、メインは温麺とオコゲ(これはスープに入ってる)、最後はデザートで、まぁ量といいアレンジといい、日本の創作懐石に近いものがある。
午後も引き続き、事務所で報告と法務的な打合せをし、金浦空港から羽田にもどる。 明日の朝に都内での面談が入ったたため、品川にて投宿。 都内のホテルを空港の案内所で予約すると、以外と安く確実にとれる事を知った。(これは、便利)
某インターネット検索No1なY社のNさんと僕の誕生日を、その大株主であるS社のT嬢とその友人で同僚のO嬢がお祝いしてくれた。 (実は、S社のCTOのTさんも、今週が誕生日だったりで、1960年のこの時期に皆出生している。)
かつて、電力会社とS社とかが、共同で設立したインターネット接続事業会社の時に仕事をしたのがきっかけで、かれこれ7年近くのお付き合いになる。 当時は、どうやったら日本にブロードバンドが普及するのかを真剣に、毎晩のように議論していて、新東京タワーの活用なんていうのもかなり具体的なアイデアとして検討したものだという昔話しに花が咲いた。
どうも、この一週間は、”東京タワー”が僕の脳内では、キーワードとしての出現頻度が高い。 演出家の久世光彦さんの遺作がリリーフランキーの東京タワーだそうだし、東京タワー → リリーフランキー とくると、おでん君につながっちゃってる。 ちらっと見たりしたことはあるのだが、先週札幌に出張した時に、ホテルにチエックインし、夕食に出かける前の時間にちょうど、TVでやっていたので、しっかりと見てしまった。 "なんでも知ってるつもりでも、ほんとうは知らないことがたくさんあるんだよ" って、うーん その通りです。 ついでに、もうひとつ、不思議に心に引っかかるのは、ケロロ軍曹なんだけど、こっちはタイトルソングのところだけで、中身はちゃんと見たことが無い。
情報通信政策フォーラムの第8回セミナーが来週開催される。 今回のテーマは「NHKをどうする」だ。 そんな、あまりにストレートなテーマなの? という気はするが、「どうする? 」であって「どうなる?」ではないところが、NHKは公共のものという暗黙の認識があることを物語っている。 そう、NHKは、明らかに公共であり国税で運用されているわけだが、受信料制度というものの存在が故に、中途半端といえば中途半端な事業体だ。
いま、通信と放送の融合問題に絡んで、チャンネル数を減らすとか、海外放送で広告を認めるとかの議論が起こっているが、同時に一連の不祥事に起因して発生している受信料未払いの問題が、こういう根本的な改革を議論するところまで、問題を広げたのではないだろうか。 ちょうど、高速道路の道路公団民営化議論の時に、不正ハイカの問題や通行料不払い団体の問題などが露見し、議論を加熱(加速かどうかは別)させたのにも似ている。 民営化議論などでは、市場原理に基づいて競争政策をという言葉がよくでるが、マクロ的にみると実はこういう事象は、市場の反応であり、ある意味市場原理に沿っているとも言えるだろう。
以前にも書いたけど、海外番組を強化するとかではなくて、率先してインターネット放送をやれないだろうか。 NHKアーカイブにある優秀なコンテンツを、インターネットで見れるようにしたら、Gyaoも凌駕するアクセスになることは間違いないと思う。
_ 第8回「NHKをどうする」
スピーカー:深瀬槇雄(文教大学情報学部教授)
池田信夫(ICPF事務局長)
モデレーター:山田肇(東洋大学教授)
小泉改革の総仕上げの一環として、これまで手のつけられていなかった放送分野
についての改革が始まりました。竹中平蔵総務相の私的な諮問機関である「通信
と放送の在り方に関する懇談会」では、「通信と放送の融合」の進む技術革新に
対応する改革が論じられ、その検討事項の一つとして、NHKの経営形態があげら
れています。この背景には、受信料の不払いが全世帯の3割に達し、2005年度の
受信料収入が史上初めて減少するなど、深刻化するNHKの経営危機があります。
今回のICPFセミナーでは、NHKのプロデューサーをつとめられた深瀬槇雄さんを
招き、NHKは民営化すべきか、受信料制度は必要か、チャンネルは多すぎるか、
などNHKをめぐる問題を考えます。
日時:3月23日(木)18:30〜20:30
場所:東洋大学白山キャンパス 5号館5202教室
東京都文京区白山5-28-20
地下鉄三田線「白山」駅から徒歩5分
地下鉄南北線「本駒込」駅から徒歩5分
入場料:2000円
ICPF会員は無料(会場で入会できます)
申し込みはinfo@icpf.jpまで電子メールで(先着順で締め切ります)
長男の高校の卒業式のため、早朝に家を出て秩父市大滝村へ行く。 長男は、大滝村にある私立光の村養護学校秩父自然学園で中等部1年から6年間就学し、今日めでたく卒業を迎えた。 ちょうど、学校の木工部で製作をお願いしていた、ダイニングテーブルが完成していた。 これは、一切釘などを使わずに作られているが、木のの良さがとても出ていて、その完成度の高さには驚かされた。
学校のことや障害者教育のことは、沢山書きたいことがあるのだが、まだまだ自分なりに整理ができていないことが多いのと、勉強中のことが多いので、またいづれまとめてみたい。
卒業式と祝う会を終えて、近くの三峰神社に6年間のお礼を込めて参拝したあと、荒川村の柴原温泉にあるかやの家に家族で泊まる。 ここは、日本秘湯を守る会の会員だそうで、以前から評判を聞いていて一度泊まりたいと思っていた。 とにかく、静かな宿だ。 温泉は単純硫黄冷鉱泉で、加温はしているが、刺激はそんなに強くない。 風呂は、全て榧の木の浴槽になっていて、低温、高温、露天の3つの風呂が男女それぞれにある。(男女は時間で入れ替え) 露天風呂に入ってると、周囲の山から鶯の鳴き声が聞こえてきて、なんともいえず癒される。 料理は、春らしく桜のおこわや菜の花から始まり、岩魚のお造り、焼き物、山菜の天婦羅、鹿肉のステーキと品数も豊富で、味付けは基本的に控えめで、とても美味しい。 もてなしも、質素、控えめという感じで、全体としてとにかく、静寂とゆっくりという空間を愉しむことができた。
朝旅館を出て西武秩父まで母親を送った後、雁坂トンネルを抜けて、山梨の須玉に移動する。 秩父から、山梨に抜けるこのルートは、中津川渓谷の近くをとおり、雁坂峠を越えて、笛吹川の上流にでて甲府市内へと抜ける。 NPOの施設建設現場にいき、進捗を確認する。 かなり厳しい日程なのだが、大分形になってきた。 棟梁と電気工事屋さんなどと、幾つかの確認を行う。 それにしても、建築というのは、本当にいろいろなことを確認しなくてはならないので、設計士、施工者との関係がとても重要だ。 今回の場合は、知り合いのジョイ設計事務所に設計をお願いし、地元の工務店の棟梁に施工をお願いしたのだが、お蔭様で厳しい日程ながらも順調に進んでいる。 また、土地の造成なども棟梁、土地建物鑑定士など地元のネットワークで、いろいろと助けていただいた。 本当に、土地の方の心根の優しさが身にしみる。
午後から寒くなり、小雨も降ってきたのだが、それでも清里の清泉寮のジャージーハットでソフトクリームを食べてしまう。 今夜は、清里の萌木の村にあるハットウォールデンに泊まり、中にあるレストランROCKで、自家製ビールとソーセージなどを愉しむ。 この時期なのに、夕方は満員で、なかなか盛況だった。
週末にちょっと風邪気味になってしまい、微妙に体が気だるい。 扁桃腺持ちなので、こじらせると高熱になり抗生物質を注射しないとならない。 ここ数年は、風邪気味になったら、とにかく早期に対処することで、難を逃れている。 ということで、葛根湯と栄養ドリンクを買おうと思い、オフィスのあるビルの地下にある薬局に行き、陳列棚から栄養ドリンクを取り出そうとしたら、店員に声をかけられる。 「栄養ドリンクの銘柄は、それじゃなきゃだめ?」、「 同じ価格で、もっと良いのがあるけど?」 「葛根湯は、内服ならこれが良いわよ。」 と矢継ぎ早の会話で、一気に畳み込まれ、彼女の推奨する葛根湯内服液と栄養ドリンク各3本を購入。 一緒に飲むと良いとビタミン剤をおまけにもらう。(これは、他でも良くある) 基本的には、物を買う場合には、自分のほうで何を買うかを決めて、こういうサジェッスションセールスには、乗らないのだが、とくに拘りの無いモノ(今回はそう)の場合は、あっさりと従ってしまう。 しかし、後で帰宅後によくよく見てみると、栄養ドリンクも、葛根湯も、ビタミン剤も同じ製薬会社のもので、こりゃ完全に在庫処分目的か、販売リベート目的だったことに気付く。 しかも、葛根湯にいたっては、小児用のものを、一回に1本丸々飲めといってたのだが、一本30mlで、用法をみると、7歳以上の子供で6ml/回とある。 つまり、5回分(二日分)を一回に飲めというわけだ。 既に二回飲んじゃったから、いまさらどうでも良いけど、いくらなんでもこういうサジェスションセールスって薬事法違反じゃないのかなぁ...(^o^);; あとで、同僚に聞いたら、ここの薬局のおばさんのサジェスションセールスは、有名だそうだ。
夜は、知り合いか新橋で、ネギ焼きの店を出したので、その開店祝いに駆けつける。 もっとも、僕はネギが食べられないので、ちゃんとネギ焼きを食べれる救援隊を帯同する。 かれこれ、20年来の知り合いで、店には他の旧知も顔をだしていた。 紹介したいけど、URLとか無い...ので、新橋の浪速屋という店で、烏森口出て、カメラのきむら屋の横を入っていたあたりにある。 流行り廃りの激しい業界と場所だが、がんばってください。
マルタで開催されるプレス発表会のために、昼の成田発の便でミラノ経由でローマに入る。 なんだかんだ、家を出てから20時間くらいで、ようやくホテルにチェックイン。 出国間際まで、成田でWBCを見ていたのだが、残念ながら最後まではみれず、6回 6−1で日本がリードしているところで搭乗時間となる。 はたしてどうなったのか気になっていたので、ミラノの空港ですかさずネットで確認すると、見事に優勝したようだ。 その後、ローマに移動してホテルにチェックインしたら、部屋でNHKの海外放送が見られるので、朝のニュースを見ると.....例によって、海外放映権問題で映像はみれない。 インターネット越しにガリレオで朝のニュースの録画予約をしてあるので、そちらをダウンロードすることにした。
出張が多いからという訳でもないが、基本的に入浴剤とかアロマグッズとかは、相当昔から好きだ。 まだ、アロマとかの認知度がそんなに高くない頃から、よくバスキューブとか使っていた。 一番のお気に入りはサンタルウッドなのだが、25年くらい前には、よくみかけたサンタルウッドのバスキューブがなぜか輸入されなくなってしまい、その後はエッセンシャルオイルをバスタブに一・二滴落としたりしている。 以前は、生活の木とかに買いにいったりしていたのだが、最近はLOHSブームとか癒しとかで、とにかくやたらめったらいろいろなものが手に入る。 Loccitaneなんて、世界中で大プロモーションしてるし、Body Shop等もどこにでもある。 (Loccitaneのエッセンシャルオイルは、ビンが広口なので付属のスポイトを使うんだけど、あれをいつもなくしてしまう)
出張中もホテルにバスフォームとかがある時はそれを使って、無い時はエッセンシャルオイルを携行しているので、それを使ったりしている。 今日は、先週誕生日祝いに貰った桜日記 を、持ってきたので早速使ってみる。 勝手に、一人桜吹雪状態を期待してんだけど...桜の花は一つだけで、なんか桜茶を湯船にこぼしたみたいだ。 でも、やはりこれがあるだけで、とても疲れが取れて幸せになる。
こういう小物系を出張時に持っていくのに、男の場合以外とアメニティグッズを入れるケースの良いのがあまり無い。 以前に配偶者が執拗に推奨する(要するに買ってくれということだった)ので、半ば半強制的に購入したL.L.Beanのトラベル用Personal Organizerが実はかなり使いやすくて、すかさず自分用のを別に購入した。(付属の鏡がすぐ割れるのはいただけないけど)
Wi-Fiに比較して、一時の元気が無いような気がするブルートゥースだが、携帯電話のハンズフリーマイクなどでは、圧倒的なシェアをもっている。 変わったところでは、知り合いのイタリアの代理店が、数年前からローマ近くの街で、街路灯にブルートゥースをつけた、Hop by Hopなネットワークを作っていて、時間帯に応じて明るさの調整をリモートで行っている。 これは、街の美観に合わせてライトを制御しようという発想で、安全だとか安心だとか、機能性というよりは、ちょっとした文化(ライトアップ)みたいなものだ。 今日は、このプロジェクトをWi−Fi化したいということで、ローマで打合せをした。 まぁ、既にWi−Fiのコストが十分に下がったことと、多様性、拡張性を考えた場合、上流のネットワークとの相互接続性なども含めて、IPに適応しやすいWi−Fiでというのは自然の流れなのだろう。 ということで、ますますブルートゥースの範囲が絞られていくのだろうか? UWBとも競合するし..
ヨーロッパのビジネスユニットの連中のリハーサルだが、さすがにパワーポイントなどは本当に綺麗に作るものだ。 関心するのは、いろいろと総意工夫をしており、製品や機能の呼称を、混同したり判りづらくならないように、言葉を変えたり選んだりしている。 仕事を進める上では当たり前のことなのだが、以外とこういうことをしないで、日々のお決まりだけを進めてしまうケースが多い。 今回のヨーロッパでのプレゼンでの工夫を、ワールドワイドに共用できるようにフィードバックしなくてはと思う。
日本の社会の特長なのか、仕事を進める上で、責任回避・保身的行動にエネルギーを注ぐ人が多いように感じる。 他の部門や他の会社などからの回答や責任所在がはっきりしない限り、自らの知見や職務経験に基づいた判断と回答を発生することが出来ないとすると、それは単なるメッセンジャーでしかなく、そのような部門や担当は不要となるはずだ。 当然ながら、各部門が自らの知見や職務経験と職権に基づき、なんらかの判断をしたり、情報を発するということは、その発言や決定に責任を持つことになる。 仕事というのは、責任を持たないでよい仕事はないし、責任を持てる仕事をしてはじめて、その仕事は評価されるのだろうが、なかなか責任をもつことは嫌がられる。
深夜から早朝にかけて東京とSkypeで会議をする。 会議中にプレゼン資料などを見ながら説明を受けるのだが、手元にデータはあっても、ポインターなどを使われたりすると、なかなか同期がとりづらい。 こういう時は、ビデオ会議のほうがありがたいが、なかなか気に入ったCCDカメラに出くわさないので、基本的にビデオは使っていないのだが、真剣にCCDカメラの携行を検討してみるかと思った。
朝からは、いよいよプレスミーティングの本番で、欧州の各地から80名前後のジャーナリストが参加している。 ここでも、全てのプレゼンはPPTで行われ、その資料は電子的にメモリスティックに入れた形で提供される。 しかし、どうしても直前まで編集作業が入ったりがあるので、今回の場合各席に印刷物としは配布していなかったが、やはりこれはちょっと不評のようだ。 人間の視聴覚などの感覚のすごいところは、なんといってもそのダイナミックレンジの広さだろう。 大型スクリーンを含む部屋全体を見渡しながら、瞬時にその発表の一部や手元の資料の細かい字にもフォーカスを写せる。 こういうダイナミックレンジの広さを人間がもっているため、印刷物のような一覧性のある形態は、とても人間にとって扱いやすい。 電子ブックなどは、結局拡大、縮小、一覧化などの動作が、人間のダイナミックレンジとその適応速度には負けてしまう。 つまり、電子ブックやPCは、印刷物と違い、人間に合わせようという機能を持っているのだが、人間がそういう機能のないものに合わせる能力のほうが優れているので、余計なことをしない印刷物などのほうが、ある種扱い易いということだろう。
朝の便で、ミラノ経由で帰国の途につく。 ホテルから空港までの間、バスから眺める地中海の太陽が降り注ぐ島の景色は、なぜかという訳ではないが、地中海のイメージそのものだ。 もっとも、行った事も無い土地の勝手に自分の中に作られたイメージっていうのは、以前に観た映画とかに基づいてるわけだが。 地中海のイメージは、古くは"太陽がいっぱい"の南仏だし、イタリアの島となると、"ゴッドファーザー"でマイケルが結婚式を挙げたシシリアだったり、ニューシネマパラダイスだったりが底辺にある。 (マルタはイタリアじゃないけどね....)
マルタの空港は、ターミナルビルとの間にブリッジがなく、ターミナルから飛行機へは、歩いて移動する。 小さなコミューターの場合には、よくあることだけど、エアバスA319クラスなのに、徒歩での移動というのは、もしかしたら、中国の景徳鎮とかカンボジア以来かもしれない。 一方ミラノでは、飛行機からバスでターミナルに移動するが、これは乗って1,2分という短距離だった。 ミラノの乗り継ぎは、45分しかなく、そのまま乗り換えゲートに直行したら、ちょうどゲートが開いて搭乗開始したところだった。 荷物はハンドキャリーしかないけど、チエックインパッケージがあったら、絶対に間に合わないなこれはと思った。 (前回ミラノで荷物が届かないで苦労したのを思い出したよ。)
大きな揺れもなく順調な飛行で、10時過ぎに成田到着する。 入管検査場にいくと、なんと日本人用のカウンターには、ひとりも職員がいない。 よく、外国の小さな飛行場とかで、便が到着して乗客が来てから慌てて職員が出てくることはあるが、成田でこんな光景に出くわすのは初めてだ。 何人かが外国人用のカウンターのほうに行ったら、職員がすぐに開けますから、日本人用のカウンターのほうに並んでくださいといって誘導した。 便の到着なんていうのは、先に判るはずなのに、何かあったのかと勘ぐってしまう。 同じ時間帯に、ヨーロッパから2便くらい着いたのだが、どうも通関職員も出動がおそかったのか、めずらしく通関ゲートも列ができていてびっくり。 日曜日なので成田からは、空港リムジンバスで都心に移動したが、さすがに首都高速も日曜午前の上り方面は渋滞もなく、小一時間で池袋まで出れた。 こういうときは、空港リムジンは便利だ。 平日もこの空港リムジンは、頻繁に業務無線で各バスと事務所が所要時間や事故、渋滞情報を交換していて、首都高速を途中でおりて一般道に迂回したりして、かなり運行時間の短縮に努力をしている。 あの無線のやりとりにある渋滞回避情報を一般に公開したら、かなり価値が高いと思うんだけど...それは企業秘密ということか。
NPO法人楽っ子の山梨の施設がいよいよ完成間近になってきた。 電気の契約のやらCATVの契約やらの書類がいろいろと届く。 CATV業者からの書類のなかに、電柱共架に関する承諾書などがある。 また、電力会社からの引き込みについては、敷地内の民地での建柱なども協議した。 こういう、手続きは実は、仕事柄事業者のほうの立場でいままで関与したことはあるのだが、ユーザー側の立場でお目にするのは初めてだ。 こういう、細かい許諾、交渉業務の積み重ねでインフラが構築されていることは、両方の立場を知っていると、その重要さなどがわかるのだが、一般の人にこういう許諾書類などがポンと送られてサインして言われても、普通の人には何のことだかわからないのではないかと余計な心配をする。 建築のほうの進捗は、設計をお願いしたジョイ設計事務所に経緯が詳しくでている。 いまのところ、どうにか月末にはグループホーム棟が完成する予定で、配偶者と長男などは、現地につきっきりになっている。
午後から、横須賀のYRPで開催されているWCW2006に参加する。といっても、時間的にはデモの時間となってしまうが、メディア間ハンドオーバーやソフトウェアデザインラディオなどの展示を見学する。 それにしても、ここ数年あまり大きなというか、ショックをうけるような展示や研究発表にはお目にかかっていない。 研究開発は、中長期的なテーマと、短期的な成果展開が求められるが、国の研究機関などは、中長期的かつ普遍性の高いテーマにぜひ取り組んでほしいものだ。 懇親会の席で、プロジェクトリーダーのA先生と、この話題となった。 A先生いわく、国立大学や国の研究機関などは、国家にとって保険のようなもので、それ自体に短期でROIを求めるものではないという意見をきいた。 まったく、同感だ。 独立行政法人化により、国立大学や国の研究機関も、短期的な成果展開を必要以上に重視することになると、中長期的、普遍的な研究がないがしろにされ、将来大きな痛手となるのではないだろうか。 短期的なROIを追求するのは、民間企業や私立大学に期待することで、住み分けも出来るはずだ。
独立行政法人情報通信研究機構(NICT)の進める世代モバイル研究開発プロジェクトのサポートメンバー会議という会議のメンバーを勤めており、今日は最後の会議に参加した。 このプロジェクトは、4年間のプロジェクトで、その研究内容などについて、年に1回外部の人間により構成されるサポートメンバーに報告し、いろいろとコメントを得たり質疑を行う。 会議は、国内各事業者、メーカーの研究機関、大学の研究者、海外の研究機関のリーダーにより構成されている。 今回は、最終年度の最後の報告ということで、メンバーからは今後の成果展開やプロジェクトの在り方などについてのコメントが多くだされた。
僕のいるようなサイズの民間企業にこういう会議への参加機会を与えてもらえたことは、非常に稀なことではないのだろうか。 これは、逆に考えればNICTの裁量の深さの現れであろうと思っている。 昨年は、総務省のワイヤレスブロードバンド推進研究会にも参加させていただいたが、これも電波政策や電波技術というものの利用範囲や社会に及ばす影響が拡大していることを示しているに他ならないのではないだろうか? 一方で、同時にYRP(横須賀リサーチパーク)で開催されている第四世代移動体通信システムワークショップは、従来からの移動体キャリア主体のAnother Worldの感が否めない。
今回のデモや研究のなかでの一つのトピックは、異なる網間のハンドオーバーなのだが、そもそもインターネットは、異なる網の集合体である。 今日、僕らの周りには、携帯電話網(3G、PHS)、固定電話網、CATV網、インターネット網などが存在しており、これらの上にインターネット網という抽象化網があるのたが、どうも携帯電話網 VS インターネット網みたいに、インターネット網と他の物理的/事業的網を同列に扱って議論してしまう人が多いようだ。
夕方に東京にもどり、麻布十番の世良多で焼き鳥にて、ハワイ在住の知人Gさんの就職祝い。 そのあと、某通信キャリアのFさんと合流して、同じビルの地下にあるCWGに移動して、ワインでもう一回乾杯となった。
今日、会社の株主総会が開催された。 通常の営業報告や取締役選任などに加えて、会社法の施行にあわせて、いくつかの定款の変更なども決議された。 企業統治やコンプライアンスについて、企業という法人が複数の人間によって構成される仮想人格であるため、いかに経営者個人に対する依存度を押さえ、事業持続性を高めるかはとても重要である。 僕は、日本取締役協会の会員で、未来企業研究会という部会で、いろいろと情報交換や勉強会に参加しているが、企業統治やコンプライアンスなどについては、現場の経営者でも人によって認識の度合いが相当に異なる。 幸か不幸か、僕の場合、創業から増資、ワラント、ストックオプション、減資、社外取締役、監査法人による監査、株式交換などなど、数多くの商法に準じた実務を経験してきているが、常に根底にあるのは"企業は社会の公器なり"という意識だ。 このことは、、以前にも書いたが、企業は株主のものだけではないはずだ。 ただし、結果として社会での事業価値が認められるということは、事業収益があがり、株価に還元されるので、広義では同じことに帰結するのかもしれない。
企業会計についても、時価会計や減損会計などが重要になってきているが、企業の現場からすると、これらの強化や導入は、一見収益の圧迫と誤認識され、あまり肯定的に捉えない経営者もいるかもしれない。 しかしこれらが目指すものは、実際価値と簿価をいかに近づけるかであり、簿価を減らすことが目的ではない。 面白いのは、多くの監査法人は会計的視点だけでとらえているので、税務的見地と相反することが良くある。 税務署が課税するには、なるべく収益が多くなる会計基準が良いわけだから当然だろう。 会計監査と税務監査を同時とはいわないが、うまくリンクさせる仕組みがあれば、適性な価値算定により近づくのではないだろうかと思う。 税務署と監査法人を両方目の前にして、協議をしてみたいといつも思うのだが...それは無理なことか..
新潟大学でアドホックネットワークの研究をされているM先生の研究室を訪問する。 先生とは、CANフォーラムなどで知り合い、IETFなどてもお会いしている。 アドホックネットワークの実装を無線LANなどで行っているが、そのための実験装置として僕らがつくった装置を提供させていただくことになった。 無線LANも他の電気製品と同様、いまや完全にブラックボックス化されていて、それをいろいろと拡張したり改造したりして使うことは容易ではない。 ところが、新しい技術に取り組んで実験したり、実装するには、それなりにブラックボックスの中に手を入れなくてはならず、それが出来る環境を構築することも必要となる。 今回は、実験装置の使い方や、その上での開発のターンアラウンドなどの実際について、学生にレクチャをするために、営業担当、技術担当と新潟大学を訪問した。
アドホックネットワークについては、もともと僕が無線の上にIPを通そうとした最初のきっかけをくれたPRUG(Pacaket Radio Users Group)とのプロジェクトがまさにアドホックネットワークだった。 そもそも、アマチュア無線のような自営通信(事業者がいないやつ)は、自律分散網であり、それらのノードが自律的に活性したり非活性になったりするのだから、アドホック以外のなにものでもない。 実は、このような網形態は、インターネット網とまったく同じであり、インターネットとアマチュア無線というのは、多くの共通する部分がある。 実際に、インターネットの黎明期から活躍されている多くの著名な方たちは、アマチュア無線の経験者だ。 特にPRUGは、有線のネットワークが数300bps(300ボーだっか)の時代にアマチュア無線をつかってKbpsの通信を行い、遠隔地との間をUUCPで接続するなどしていたし、まだWEBサイトが数えるくらいしかないときから、WEBサイトを運用したりしていたパイオニア集団だった。 僕の場合は、アマチュア無線は、それこそ何十年もやっていなかったのだが、たまたま仕事の関係でTNC(無線機にデーターを乗せるモデム)の開発などを請け負ったことがきっかけで、高速無線データ通信の研究をしていたら、このPRUGに出会い、すっかりIPやインターネット文化を教えてもらった。 彼らは、自律分散網の本質をきちんと理解していたし、設計思想もきちんと階層化設計を取り入れていたので、僕の開発したデータ通信装置と彼らのプロトコルを融合させることは一瞬でできた。
新潟に行くのに新幹線の特急券と指定席券は、駅ネットで事前に発券・購入していた。 東京駅までは地下鉄で行ったのだが、あまり時間がないのでSuicaで入場をし、新幹線の乗り場で新潟までの乗車券を購入しようとしたら、券売機はSuicaに対応していなので、窓口で購入するしかないとのこと。 窓口は混雑していて時間的に厳しいということで駅員に相談したら、そのまま入場して車内で車掌に精算してもらえということになった。 ということで、車内で精算をすると、Suicaについては、乗り継ぎ精算した旨の紙を渡され、次にSuicaを使う前に窓口にいって処理することとなる。 お財布携帯などとの連携も含めて、これだけSuicaを推進し、自動販売機などの対応もしているのに、こんな基本的な処理さえ出来ていないのは、まったく理解しかねる。 以前に、JR東海とJR東日本の間を乗り越した時に同様のことがあったが、今回はJR東日本の圏内だけの話しだし、最大のメインステーションの東京駅での不備なのだから目も当てられない。 この要素である券売機などは、Suicaに対応しているのだから、ようするに技術的な問題というよりは、ソフト処理の問題なわけだが、整備状況や進捗を推進するのは、経営的指導力の問題だろう。 おそらくは、この会社の経営者などは、ほとんどSuicaを使ったことがないのだろうし、現場が未だにサプライヤーズマインドであるという実態を知らないのかもしれない。
帰りは、越後湯沢で途中下車し、学生時代にアルバイトをしていた石打丸山の知人のホテルに顔をだし、近隣の温泉にいってへぎそばで一献、そのまま泊めてもらう。