新潟大学でアドホックネットワークの研究をされているM先生の研究室を訪問する。 先生とは、CANフォーラムなどで知り合い、IETFなどてもお会いしている。 アドホックネットワークの実装を無線LANなどで行っているが、そのための実験装置として僕らがつくった装置を提供させていただくことになった。 無線LANも他の電気製品と同様、いまや完全にブラックボックス化されていて、それをいろいろと拡張したり改造したりして使うことは容易ではない。 ところが、新しい技術に取り組んで実験したり、実装するには、それなりにブラックボックスの中に手を入れなくてはならず、それが出来る環境を構築することも必要となる。 今回は、実験装置の使い方や、その上での開発のターンアラウンドなどの実際について、学生にレクチャをするために、営業担当、技術担当と新潟大学を訪問した。
アドホックネットワークについては、もともと僕が無線の上にIPを通そうとした最初のきっかけをくれたPRUG(Pacaket Radio Users Group)とのプロジェクトがまさにアドホックネットワークだった。 そもそも、アマチュア無線のような自営通信(事業者がいないやつ)は、自律分散網であり、それらのノードが自律的に活性したり非活性になったりするのだから、アドホック以外のなにものでもない。 実は、このような網形態は、インターネット網とまったく同じであり、インターネットとアマチュア無線というのは、多くの共通する部分がある。 実際に、インターネットの黎明期から活躍されている多くの著名な方たちは、アマチュア無線の経験者だ。 特にPRUGは、有線のネットワークが数300bps(300ボーだっか)の時代にアマチュア無線をつかってKbpsの通信を行い、遠隔地との間をUUCPで接続するなどしていたし、まだWEBサイトが数えるくらいしかないときから、WEBサイトを運用したりしていたパイオニア集団だった。 僕の場合は、アマチュア無線は、それこそ何十年もやっていなかったのだが、たまたま仕事の関係でTNC(無線機にデーターを乗せるモデム)の開発などを請け負ったことがきっかけで、高速無線データ通信の研究をしていたら、このPRUGに出会い、すっかりIPやインターネット文化を教えてもらった。 彼らは、自律分散網の本質をきちんと理解していたし、設計思想もきちんと階層化設計を取り入れていたので、僕の開発したデータ通信装置と彼らのプロトコルを融合させることは一瞬でできた。
新潟に行くのに新幹線の特急券と指定席券は、駅ネットで事前に発券・購入していた。 東京駅までは地下鉄で行ったのだが、あまり時間がないのでSuicaで入場をし、新幹線の乗り場で新潟までの乗車券を購入しようとしたら、券売機はSuicaに対応していなので、窓口で購入するしかないとのこと。 窓口は混雑していて時間的に厳しいということで駅員に相談したら、そのまま入場して車内で車掌に精算してもらえということになった。 ということで、車内で精算をすると、Suicaについては、乗り継ぎ精算した旨の紙を渡され、次にSuicaを使う前に窓口にいって処理することとなる。 お財布携帯などとの連携も含めて、これだけSuicaを推進し、自動販売機などの対応もしているのに、こんな基本的な処理さえ出来ていないのは、まったく理解しかねる。 以前に、JR東海とJR東日本の間を乗り越した時に同様のことがあったが、今回はJR東日本の圏内だけの話しだし、最大のメインステーションの東京駅での不備なのだから目も当てられない。 この要素である券売機などは、Suicaに対応しているのだから、ようするに技術的な問題というよりは、ソフト処理の問題なわけだが、整備状況や進捗を推進するのは、経営的指導力の問題だろう。 おそらくは、この会社の経営者などは、ほとんどSuicaを使ったことがないのだろうし、現場が未だにサプライヤーズマインドであるという実態を知らないのかもしれない。
帰りは、越後湯沢で途中下車し、学生時代にアルバイトをしていた石打丸山の知人のホテルに顔をだし、近隣の温泉にいってへぎそばで一献、そのまま泊めてもらう。