福岡市などと共同で、天神を走る西鉄バスをブロードバンド常時接続する実験をはじめるので、今日はその報道発表に同席した。
この実証実験の特徴は、無線LANとPHSを併用するメディアハンドオーバーを行うことで、カバーエリアを確保することと、位置に依存した情報提供を行うことなどである。
この類の話しになると、バスの中でノートPCとかでインターネットアクセスをするという利用シーンを思い浮かべる人も多いだろう。 もちろん、バスがインターネットに常時接続しているので、技術的にまったく問題なく即座に可能だ。 しかしながら、今回はそのような利用シーンではなく、バス内に設置したディスプレイに即時性のあるニュースや、緊急情報、バスの運行情報や広告を流す。 また、バス停に設置したディスプレイにも同様の情報を表示する。
これらは、実際のバス利用者の視点や属性をみたときに、情報端末を持っていない(頻繁に使わない)人がメジャーであり、そこへのサービスの向上という視点から導き出した結果である。 既に、携帯電話を使ったバスの運行情報サービスは行われているが、子供やお年寄りなど携帯での複雑な操作に不慣れな人たちにも、より高度な情報提供を行うとが目的だ。
今回は、5.7Kmくらいの巡回コースに、無線LANの基地局が9局設置されているのだが、これでほぼ全域をカバーしている。 ただし、ビル影や一部設置位置の関係で完全に無線LANのセルがオーバーラップしてカバーしているわけではないため、そのセルの隙間はPHSを併用している。 これにより、全域で常時接続が可能となっている。 今年でこの研究は3年目なのだが、これで実用域でのビジネスモデル創出などに一歩近づくことが出来ればと思い、実験が始まるのを楽しみにしている。 巡回バス(100円バス)は、25台くらいあるそうたが、10台に機器を設置するので、2.5台に一台の割合で、機器搭載のバスにあたると思うので、ぜひ福岡の方は利用してみてほしい。