日本のインターネットがどのようなサービスやアプリケーションに利用されているかや、どのような経路で情報が交換されているかなどを概観する仕組みをつくる研究を進めようとしている知人訪ねてきて、打ち合わせをした。
このような統計を電子的に自動に行うためには、全ての通信を収集、解析する必要があるが、これは通信の秘密を守るという観点から実現することはとても難しいだろう。
仮に実現して、網を流れているパケットを収集できたとしても、今度はその中身を解析するには別な技術的困難が発生する。 今は、VPNなどのトンネリング技術により、IPoverIPかつ暗号化されたパケットが沢山ながれているので、ヘッダーだけでは、通信の種類などを的確に把握することは出来ない。 みーんな、http 80ポートに見えたりするわけだ。
ということで、こういう統計をするには、TVの視聴率じゃないが、やはりサンプリングによるエッジでの実態調査が不可欠だ。 まぁ、インターネットがEnd to End原理に基づいているのだから、これは当然のことだけど。
となると、End to Endで調べれば良いわけだ。 ビテオリサーチみたいに、各家庭や企業に、調査用の箱を配布して、サンプリングによるアクセス率調査みたいなことをやれば良い。 元々インターネットにつながっているので、余計な回線などを新規に用意する必要は無い。 こういうのを、勝手に自律分散的にやるのも面白いかもしれない。 世の中のブロードバンドルーターとかにパケット解析デーモン(SNMPでもいいか)をいれて、それを公開することを利用者が許可すると、いろいろなエンジンなどで解析データを読み出せるようにする。 こういう仕組みならば、技術に詳しくない利用者も簡単に参加できる。
問題は、こういう実装を誰がやるのかということだ。 ISPが加入者にこういう機能のブロードバンドルーターを配布し、それを利用するというスキームもあるだろう。 この場合、利用者には、解析データを公開をすると、接続料金が割引になるようなインセンティブを与え、ISPは、その解析データーをもとに、視聴率のようなランクデーターを得て、広告主などへの訴求材料として利用するというわけだ。 ただし、ネットによる組織投票問題のようなことが簡単に発生してしまう可能性はある。 もっとも、仮にそれが”祭り”だとしても、それはそれで立派なPVなのだから問題ないだろう。
夜は、恵比寿のい志井にて、もつを食す。