早朝に福岡に入り、九州の事業所から本社とのTV会議に参加した後、FITBUSの試乗会に参加。 以前にも書いたが、この研究は3年目で、より具体的な利用を想定したものにということから、インターネットバスといっても、インターネットが使えるバスではなく、インターネットに常時接続されたバスで、何をするかに主眼を置き、その結果としてリアルタイムな情報を乗客に配信するというものになった。 東京の山手線や一部私鉄などでも社内にディスプレイがついて情報発信をしているので、それらとの違いはちよっとわかりづらいかもしれない。
今回のシステムでは、無線LANとPHSの二つの異なるメディアを利用することで、バスの路線全域で常時接続を実現している。 このため、いつでも直接バスとインターネットを介して常時情報交換が可能なのだが、その帯域は、PHSの時は64kbpsで無線LANの時は54Mbpsと大きくことなる。 そこで、画像コンテンツなどは、一旦社内のPCにダウンロードしてから表示している。 これらが山手線などについてるものと違うのは、圧倒的に情報の更新頻度である。 つまり、操車場や特定の駅に停止している時に、コンテンツを切り替えるのではなく、走行中に逐次コンテンツを更新しているのだ。
実際にバスに乗ってみると、液晶表示はとても目立つ。 そして、やはり動画のコンテンツは、かなり人目を引くものだ。 つり広告などと違い、動画が使えること、コンテンツの更新が逐次可能なことから、当然ながら表示させるコンテンツもこれらの特性を生かせるものが良い。 すなわち、リアルタイム性、リアルローケーション性のある情報が良い。 いま、この場所だからこそ効果のある広告というわけで、たとえばデーパートの手前のエリアでは、デパートの特売情報や催事情報などだろうし、映画館の手前のエリアでは上映中の映画の予告編と次の上映時刻などが表示されたら便利だろう。 もろちん、単純な即時性という意味で、ニュース配信は重要だし、今回も緊急情報を優先的に流す仕組みも用意してある。 さらには、ご当地福岡なら当然のごとくホークスの試合中継を観たい人は多いだろうし、福岡ドームまでの送迎バスなどに搭載すれば、試合開始後に球場に向かう人や、試合途中で帰路につく人にも試合経過を伝えることが出来る。 あっ、J1に昇格したアビスパも忘れていませんよ..。
広告媒体の利用効率という観点からすると、今回の仕組みは完全にTV広告に近いものだろうし、その売り方も朝の通勤時間帯に、15秒のコンテンツを何回配信するなどの時間帯と頻度で訴求することになる。 これは、従来のつり広告が平均して5日程度の更新媒体であり、そのスペースも限られているのに対して相当に利用効率が高いものになると思う。
いづれにしても、この研究が実際にバスの広告ビジネスなどを創造する機会となる可能性を多いに感じた。 午後も、第二回目の試乗会を行ったが、その様子はIntetnetWatchに報告されてている。
午後からは、今回の実験でも大変な協力をいただいてる通信事業者のKさんとプロトコルの共同開発をしている同じく通信事業者のIさんと打ち合わせ、ともに8年くらい前からの知り合いで、今後の展開なども含めて話題には尽きない。 ということで、そのまま一献。 福岡なので当然のごとく魚を食べに、西中洲のもめんへいく。 この店は、九州大学のA教授(ほんものの博多っ子)に連れて行ってもらった店で、やっと最近その場所と店の名前を覚えた。 年に何回か福岡に来るのに、なかなか土地勘が良くならなかったのだが、最近大分わかってきた。 (そもそも、僕の福岡に対する知識は、学生の頃に週刊誌(漫画アクション)に連載されていた長谷川法世の博多っ子純情によるところがほとんどなのだ。"しぇからしか!")