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2006-04-03 R&D

_ [仕事] 研究と開発

 早朝の新幹線で京都にいく。 この4月から京都に新しく研究部門をおき、研究員を雇用した。 R&Dを研究開発として一くくりに言ってしまうことが多いが、実際に研究と開発では、求められる成果や内容が異なると考えている。 長期的なテーマに対する基礎要素研究などは、現代においては相当なコストと時間がかかり、これを民間企業で行うにはかなり体力が必要となる。 一方で、製造メーカーとしては、常に新製品を市場に提供し続けることが重要だが、この時に新しい研究成果技術を他に先駆けて取り組むことは、市場形成をしなくてはならないからリスクも伴う。 それでも、一定の比率でカッティングエッジな製品を持つことは必要だ。 そこで、民間企業としては、比較的短期的な応用技術研究に対して、ある程度の先行投資を行うことが望ましい。 日々の新製品の開発というのは、製造、生産を行い販売をするためには、ある程度実績のある技術による開発となる。 自動車でいうとマイナーチェンジやラインアップの拡張などの製品開発は、毎年、あるいは毎四半期くらいの頻度で発生する。 一方、新型エンジンや新らしい機構システムなどの研究成果の展開をするフルモデルチェンジは、数年に一度となる。 そこで、R(研究)とD(開発)のパイプラインをつくり、それを複数並行して持つことが出来ると、常に一定の比率で、新市場の創造と製品のリリースを持続的に行うことができる。 たとえば、R(研究)の期間を3年し、3つのテーマを1年づつずれて行なっているとすると、毎年一つの成果展開が期待できる。 実際には10割の研究がそのまま成果展開可能となるわけはないので、その展開率を5割とすると、6つのテーマについて、常に同時に研究が行われていることが必要となる。 さらには、安全をみるならば、研究期間のズレなどもあるので、6つのテーマを並行して進められる研究機関の規模がある場合、2年から3年に一つかくらいはなんらかの新しい成果展開が期待でき、製品開発へと引き渡すことが可能となる。 というわけで、なんとかこのR(研究)フェーズについて、6つのテーマをと並行して行えるぐらいの研究体制を整えたいと思っている。 従来は、福岡に研究所があり専任研究員が1名だったのだが、今回京都にも研究所を設置し専任研究員を招聘したので、主任研究員が2名となった。 この二箇所では、各々異なるテーマについて研究計画を進める。

 研究員の評価につていは、僕の過去数年の研究や公募委託研究などの経験から、1)査読論文 1本/年,2)研究会発表 1本/四半期 3)公募研究費獲得 4)標準化などへの寄与 を基準としている。 特許については、特許のコスト/パフォーマンスを考慮した場合、かならずしも良い指標とは言えないので、あえて掲げていない。 マザースの創設時に上場した某IT系研究型企業にいた知人が、「わが社のR&Dというのは、実は Recruit & Deliveryなんですよ」と冗談を言っていたが、そうならないようにしないとなぁ....

 午後からは大阪事業所に移動し、大阪のエンジニアと新製品の企画について協議する。 大阪のチームとは、まだ圧倒的に日々の情報交換量が少なかったのだが、これを機会に業務システムとしてもいくつか改善をしていくことにする。  夜は、このチームと、魚で一献、楽しい夜を過ごす。 


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