地域情報化関係の打ち合わせのため、午後から仙台に移動する。 Wi−Maxを利用して、ルーラルエリアのブロードバンドインフラを整備できないという問い合わせは実に沢山受ける。 FWA的な利用にしても、モバイルにしても、通信距離は、物理的条件により決まり、シャノン則を超えることは無い。 それにも関わらず、”非見通し通信が可能”という、キャッチフレーズに、実に多くの人たちが踊っている。 いまの携帯のように家の中まで電波が届くと思っている人が本当に多い。 実際に、広帯域無線の場合、要素部品に対する直線性などの要求がきついこと、移動体などでは消費電力を低くする必要があること等など、諸々の要件から送信電力の大きさは限界がある。 そこで、おのずとアンテナ利得で距離を稼ぐことになるのだが、移動体端末やPCMCIAカードなどでは、アンテナ利得を大きく取れない。 ということで、2.5GHzで、いまの800MHzの携帯のようなサービスをするには、かなり基地局数が必要になるし、ギャップフィラーのようなものも必要となる。 こんなことは、無線通信の基礎なのだが、なぜか”非見通し通信が可能”、"最大20Mbps"、”3kmから5kmの通信距離”なんていうコピーを、電力や周波数、帯域幅という電波資源の要件と関係なくアピールする人が多く、それを鵜呑みにしてしまう人も多い。 こいうことは、実験をしてみないとわからないのではなく、実験をする前にきちんと設計すれば、有る程度わかるのだが、なぜか実験しないと判らないといって授業料を払う人も多いようだ。