全国地域情報化推進協会の主催する、ブロードバンド全国整備促進ワーキングの会合に出席する。 このワーキングでは、ブロードパンド未解消地域を今後5年間でゼロにするための、ロードマップ作りやマニュアル作りなどが行われる。 会合には、県・市・町などの自治体とメーカー、通信事業者などが参加している。 活動目標として、ロードマップ作りを進めることになっているのだが、現状の把握という点さえも、容易ではないという意見が出された。 これは、現在総務省が示している世帯普及率などを示すエリアマップの基準と実態の相関が不明瞭な点なども要因として指摘された。 つまり、マップ上は1世帯でもブロードバンド加入が可能であれば、ブロードバンドカバー地域となってしまうが、実際には中心地域だけで周辺はカバーされていない地域が多いという指摘だ。 こういう曖昧性を排除するには、統計区域の分解能をあげる(町・村から字単位)か、その統計区域の表示を多値化する(対応・非対応という2値表現から世帯加入率に応じた5段階表示にするなど)ことが必要だ。 こういうのは、工学的に整理すると、データーの精度を上げるには、サンプリングする単位を細かくし、かつその分析表現精度を上げるという普遍的手法だ。 ディスプレイで画像の精細度を上げるには、画素数を増やすのと、画素あたりの表現数を増やすというのと同じなわけだ。
一方で、将来計画などを盛り込むにあたって、通信事業者が計画を開示してくれないとことがネックであるという意見が、自治体から出された。 しかし、通信事業者にとって、エリア展開などは、重要な企業秘密であるし、条件不利地域の整備計画など事業者が単独で向こう5年間分を持っているわけではない。 この場合も、展開予定と年度を開示するという要求そのものが、2値的なのでは折り合いがつかない。 せめて、計画がある、条件が合えば展開する、興味がある、計画は無い、などの段階的表現をもって開示することを良しとするなどを考慮する必要があるだろう。