久しぶりに共同研究やいくつかのプロジェクトを一緒に行なったO君が、別件の打ち合わせに合流し、そのまま一献となった。 彼は、若い研究者だけど、インターネットの根底にあるEnd to End原理をしっかりと理解している人で、技術の綺麗さというものにも、こだわりを持っている。 最近、参加している某MLですで、”インターネットだって,IIJなど事業者すら,黎明期は人と人とのコネで接続性が会社によって全然異なっていたことを知る人は少ないのかな?” と、某大手ネットワーク機器メーカー勤務の知人が嘆いていたけれど、これはそのまま、End to Endのことだ。 SNSやBlog、オークションなどの多くのアプリケーションサービスは、ホストtoクライアントな形だけれど、通信そのものは、End to Endの上に成り立っている。 ところが、ここまでインターネットが普及してくると、もう通信の形態なんていうのは、あってあたりまえになるから、その原理や構造を気にしない利用者の方が圧倒的に多い。 これは、インターネットにとって望ましい結果なのだが、一方で通信の本質の部分を理解し、研究する人が希少化するという点は、ちょっと悲しい。 技術は、技術そのものが主張しなくなり、利用シーンが増加することで、成熟を迎えるのだが、成熟した技術には、さらにそれを深く突き詰めようという研究者のモチベーションを喚起するなにかが常に必要なのかもしれない。