オープンソースやモジュール化、OEMやEMSの発展で、製品作りのハードルは低くなってきたように勘違いしている会社が増えてきたようだ。 数年前に、付き合いのあったある会社は、当時展開していたサービスに使う機器を自前で作れば、収益性も上がるし、成長できると安易に考えて、まったく製品開発や製造業の知験もなく、ものづくりに着手し、結局は製品はまともにできず、権利関係などの問題もあり、会社そのものが立ち行かなくなった。 製品を作って販売するには、仮にOEMであれ、ものつくりを知って、その設計や品質に対するオーナーシップを持つことがとても重要だし、市場に責任をとるという意味では、製品に使われる諸々の知財についても、正しい権利を持つべきだ。 また、ただ動くのではなく、信頼性や品質に対するポリシーも確固たるものを持つべきなのだが、そういうことをないがしろにして、自社製品を持つことを性急にするようなパターンを最近良く見かける。 そして、そういう会社は、結局のところ製品がうまくリリースできなかったり、リリース後の不具合対策などで大きな痛手を被ったりしているようだ。 部品選定、設計、製造、品質管理、購買等など、ものつくりには、実に沢山のすべきことがあり、だからこそメーカーという事業には、一定のスケールが必要なのだけど、表面的なところだけを見て、安直に製品つくりをする人達には、どうもその辺りがわからないのだろう。 こういう事は、若いうちにそれなりの規模の会社でものつくりを覚えることが重要で、ぜひ若い技術者には、メーカーの色々な側面を知ったり、経験してもらいたいものだ。
たまたま、午前、午後と公的な団体(いわゆる外郭団体)の責任者の方と打合せをする。 両方とも総務省のOBの方で、電波行政などに精通されている。 話のなかで、いま進めてるWi−Maxの地域バンド用機器について、具体的な価格や性能の話を紹介した。 最近、どうもWi−Maxについては、制度的な準備が整ったものの、実際にどうやるのか? どんな機器があるのか? というとこで、皆さん戸惑っているようだ。 つまり、話題のわりに具体的なシステムやハードも含めて、はっきりしない状況で、暗中模索という感じだ。 僕は、この地域バンドについて、いち早く提唱した一人であり、昨年来地域バンドの特長である高利得アンテナでの固定的利用の実験を行っていたけれど、今回技術基準が明確になったことから、新しい技術基準に準拠した製品での実証実験を、近々にはじめる予定だ。 製品も、明確に地域バンドを希望する自治体や地域会社でも、ビジネス的なFSが成り立つような価格帯での提供を明示して、説明しているけれど、皆さんそういう具体的な話は、初めて聞きました的な反応をされているのには、いささかびっくりだ。
CNETのニュースによるとニコニコ動画、有料動画配信に乗り出すそうだ。 いまや、500万PV/dayを超えているそうで、日本ではダントツな媒体となっているようだ。 いよいよもって、インターネット上の動画コンテンツは、新しい価値創造をばく進している感じだ。 既に、若者のTV離れは起こっているようだけど、これから在宅時間が増える定年後の団塊世代あたりだと、インターネットの利用スキルは、そこそこにあるので、こういう人達もTVコンテンツからインターネットコンテンツにシフトしていくのだろうか? ただ、ニコ動などは、まだまだアニメ系とかが主流なので、質の濃い大人向けコンテンツが増えて欲しいと思うのは、歳のせいか?
南紀白浜でのITRCに参加する。ITRCは、産学連携のインターネット研究会で、学生セッションなどは、夜遅くまで発表したり議論したりしている。 ここに集まっている研究者の多くは、インターネットの黎明期を知っているというか、日本のインターネットを創ってきた人達で、もちろん現役で大学のメディアセンタなどで研究をしている。 若い研究者に対して、産学を超えて忌憚の無い意見を交わすところは、とても刺激を受ける。 しかし、最近の発表、特に学生達の関心は、比較的高いレイヤが多いようなのと、インターネットの原点からは少し離れてきたものが多いように思う。 まぁ、それだけインターネットというものが、研究として成熟しているということだろう。 それにしても、初めて来たけど、南紀白浜というところは、海か広い...
ITRCの最終日は、RIBのセッションで、地域ベースのビジネスやNGNライクなプラットホーム的な取り組みの話だった。 しかし、三日間を通して、参加者に大きなインパクトを与えたのは、昨日のニコ動の紹介だったようだ。(笑) 既に、ウィキノミックスとかでも取り上げれているような、集合知やマッシュアップによる新たな創造領域は、オタク文化的なものだけでなく、実ビジネスでも多くの実績があるのだけど、体系的に説明されたり、顕在化してきたのは、最近のことなのだろう。 今回のITRCのキーワードは、ニコ動、きしめん、戦車、初音ミク....ってことか。
昼で研究会が終わったものの、東京に帰る飛行機は19:20と、えらく時間が空いてしまった。 いろいろと、観光地はあるようなのだけど、一人、二人で行くのに適当なところが見当たらないので、某医大のA先生と漁港のところにある売店で貸し釣竿(えさ付きで、時間無制限\800-)を借りて、漁港の桟橋で糸をたれる。 釣りなんて、小学生の頃にやって以来だし、漁港の内側だし、ということで、ただの時間つぶしで、釣果に期待はしていなかった。 ところが、いざはじめてみると、小さな鯵が結構釣れた。 A先生も僕も10匹くらいの鯵を釣って、そこそこに満足。
一旦、ホテルにもどって、魚臭かったこともあるので、温泉に入ってから、同じ便で東京に帰るMさんと、LAご推薦のとれとれ市場に行ってみる。 ここは、海鮮マーケットで、買った海鮮品をその場でバーベキューにしたりできるようだけど、お鮨とかもあって、とりあえず超遅めの食事をする。 海鮮モノは、最近は全部産地表示がされているけど、ここで売ってるものも地物はそんなに多くない。 それでも、クエなんかは地物で、さすがにお高い。 みやげ物もなんでも揃っていて、なんだかんだ一時間くらいは、時間がつぶせた。
次世代無線構想が後退、米2社が共同計画を断念というニュースが日経にでている。 アメリカのスプリント・ネクステルとクリアワイヤが、共同事業化計画を断念すると発表したそうた。 報道によると資金難が原因とみられるそうで、スプリントは単独で事業化を引き続き進める意向とある。 これは、Wi−Max推進派の技術者なんかは、きっと「技術的な問題じゃなくて、資金やビジネスFSの問題だ」とか言うんだろうな。 Wi−Maxの場合は、TDD、SOFDMという部分は統一されているけれど、一番肝心な周波数、電力、占有帯域幅等はプロファイルとして外部定義になっていて国毎に異なる。 ビジネスモデルの検討で、一番支配的なのは、スケーラビリティで、セルの大きさと収容可能なアプリケーション帯域だ。 韓国でも、Wi-Broとして免許を受けた三社のうち、一社は既に撤退しているし、残る二社も当初予定から大幅に展開が遅延している。 もちろん、将来の携帯電話システムとして、UHF帯などの低い周波数で、Wi−Max方式を採用するのであれば、セルサイズもスケーラビリティもそこそこに魅力的になる可能性はあるけれど、2GHzより上では、かなり厳しいのは自明だ。 日本では、2.5GHzに30MHz帯域幅で2社へ全国免許を免許割り当てる事になっていて、既に免許申請を受付済で、割り当て先を決める審査が行われているところで、この審査に多少は影響が出るかもしれない。 光なみの高速通信だなんて、さんざん無知な提灯記事を書いていたマスコミや似非技術通な評論家の皆さんは、どういう風にこういうニュースを捉えるているのだろうか? 僕は、高利得アンテナの利用を許可するように提唱し、条件不利地域の固定利用ではそれが許可になったけど、結局は条件不利地域以外では、2.1dBiというホイップしか使えない。 ところが、地方のCATV事業者なんかは、夢の無線通信に今名乗りを上げれば、免許がもらえて、新規事業で大成功なんていうように、機器メーカーに踊らされているところも沢山あるようだ。 しかし、そこそこに資金力のあるCATV事業者は、既にインターネットサービスをしているから、条件不利地域はあまり抱えていない。 一方で、移動体通信をするとなると、10MHzの割り手当てでは、セル設計が厳しく、そもそも地域に限定した移動体通信というのは、かなり競争力に欠ける。 それでも、なお、CATV事業者が足並みそろえて免許を取得し、機器の共同購入をしようなどと、扇動している輩もいるようで、今後の動向が見ものだ。
4年ほど前にに植樹した果樹畑の柿が今年は沢山実った。 渋柿なので、渋抜きをするか干し柿にする必要がある。 去年は丁度良い感じになったら、ほとんど猿に持っていかれてしまった苦い経験があり、いまひとつ悩んでいた。 木から捥がなければ、別にそれはそれで良かったのだけど、先週NPOの仲間が木から沢山捥いできてくれたので、このまま捨てるのは勿体無いということで、結局干し柿を作る。 ウッドデッキの下に吊るすのだけど、ちょうど畑で使っていたネットがあいていたので、それを張り巡らせて猿対策にし、万全を期す。 柿は、ヘタに枝が少しついてる状態で捥いであり、それを皮むきし、熱湯で殺菌して、焼酎をつけて、紐で結わいて吊るす。 沢山あり過ぎて限がないので、時間をみて適当なところで打ち止め、それでも130個くらいは吊るした。
今日は秋晴れで空気がとても澄んでいたので、午前中に訪問した取引先のオフィスから、富士山が遠くに見えた。 ビルとビルの間に、一部が見えているのだけど、以前は全景が見えていたそうだ。 東京もどんどん再開発で大きなビルが建つため、富士山が見える場所も減ってきている。 いまでも、いろいろなところに、富士見坂とか富士見町なんていう名前が残っているのは、富士山が良く見えた場所の名残だ。 僕が生まれ育った大塚から、隣町の巣鴨に抜けるところには、朝見坂というのがあって、そこからは正面によく富士山がみえていたのを思い出した。(別に朝しか見えないんじゃないけどね...) 最近は、山梨側からばかり富士山をみていたのだけど、久しぶりに東京側から見る富士山もやはりいいいもんだ。
次世代無線KDDI陣営に免許というニュースがでている。 4グループからの免許申請に対して、総務省が審査をしていて、正式な発表はないにも関わらず、こういうニュースが総務省の方針として新聞に報道される。 これは、明らかに関係者からのリークなわけで、こういう報道を恣意的に操作しているのは、まったくなんの意味があるんだろうかと思ってしまう。 昔、通信事業者を経営していた時に、事業休止をすることになって、利用者保護の為に再三監督官庁と打合せをして、正式な発表は同時にということにしていたのに、前日に日経に報道された事がある。 この時、この情報を知っていたのは、監督官庁と僕だけだったのだから、明に監督官庁側のリークだ。 結局のところこういう情報操作は、日常茶飯事で、新聞の報道の裏を読まなきゃならないのが実態だ。 今回の免許審査なてん審査過程も、その結果も、広く公開すべきではないだろうか?
京都大学で開催された情報処理学会モバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会に参加する。 紅葉の季節のため、京都はとても混雑している。 研究会は、高度通信システム研究会(ITS),放送コンピューティング研究グループ(BBC)も共催で、ITS関係の発表もかなりあった。 面白かったのは、東京工科大学の松下先生の招待講演で、地球温暖化対策のために政府が取り組んでいる省エネ対策の話で、業務用、産業用の設備、機器は大分進んでいるものの、家電などでの対策がこれからだという点だ。 家庭の場合、もっぱら電気代節約という点で訴求する白物家電などは進んでいるが、それ以外の部分が取り残されているそうだ。 特に、指摘されていたのは、普及目覚しいブロードバンドルータなどのネット接続機器で、これらは24時間通電しているという点が大きい。 ということで、通産省主導でルータなどの消費電力を測定し、低消費電力の製品を賞賛して、メーカーが評判を気にして低消費電力化を進めるインセンティブを与えるなどの活動をしているようだ。 こういう消費電力などについては、経産省が主幹なのだ。 そこで、無線基地局とか無線機などにも消費電力という切り口だったら、地球温暖化対策という大義名分のもとに、いろいろな基準策定に口を挟める可能性がある。 たとえば、周波数の再配分などで、いろいろな技術提案を評価しているけれど、その評価項目の一つに省エネという項目がはいれば、技術基準や提案評価の部分で、総務省だけでなく経産省も絡める。 こういうことが、電波行政の独立化のきっかけになったりしないだろうか?
ミシュラン東京版が発行され、いろいろと話題になっている。 ミシュランに限らず、グルメサイトやガイドブックに掲載されると、想像を絶する集客効果があるのだけど、場合によっては店のキャパ(単に席数だけでなくサービスも含む)を完全に超えてしまい、結果として質が下がるというマイナス効果を生んでしまう。 また、これも質のうちだけど、店側が天狗になってしまうというのもある。 今日は、ミシュランの星はないけど、五反田駅の近くでフレンチのシェフが開業した軍鶏にこだわったレストランで、金融系の知り合いと会食だった。 6時に予約して入店して、8時まで他の客は一人も来なかった。 以前は、予約も簡単にとれなかったし、完全に入れ替えになっていた。 今日も、一応電話で予約をしたら、8時までになりますけど良いですかと聞かれた。 でも、あの様子では8時から埋まってるとはとても思えない。 昼は親子丼だけのメニューで、繁盛していたのだけど、一月くらい前にいったら、結構空いていた。 別に味が落ちたとか変わったわけではないので、飽きられてしまったという感じなのだろう。 ミシュランの星付きレストランは、次の改定の時にどのくらい生き残るのだろうか?
2.5GHzの割り当てに関する議論が、いよいよ最終局面を迎えて白熱している。 参入グループによる公開討論は、ソフトバンクがリードしたような報道がされている。 しかし、1.7GHzも2GHzも含めて、全体的に再検討するべき状況なのかもしれない。 それにしても、Wi-Maxに対する過度な期待は、どこから来ているのだろうか? 50km/75Mbps 非見通し通信、高速移動可能というキャッチフレーズが、やはり強いのだろうか? Wi-Maxは、TDD方式の広帯域無線通信であって、距離や通信速度、伝播特性は、周波数、電力、帯域幅に依存する。 つまり、なるべく低い周波数で、なるべく大きな電力(アンテナ利得を含む)で、なるべく多くの帯域幅をとることが、スケーラビリティとしては優位になることは自明だ。 とにもかくにも、本当にキャリアは、この周波数で何をしたいのだろうか? 韓国の状況などを、きちんと理解すべきではないだろうか?
一昨日、新大塚の和食屋で食事をした時に、一連の食品関係の不祥事が話題になった。 ちょっど、マクドナルドで賞味期限切れ商品を販売した事がニュースになっていたけど、そのFC店舗の一つが新大塚店だった。 実は、今回問題になった、同じFC系列の大塚駅前店は、昔は直営で、少しだけ違う場所にあったんだけど、学生時代に一時アルバイトをしていたので、ちょっと気になってしまった。 でっ、食事をしながら、こんだけ色々な不祥事がでてくると、次はどこだろう?という話題になって、横浜のシューマイじゃないのと冗談で話していたのだ。 でっ、今日にになったら、ピンポーンなニュースで、実にびっくり。 最も、成分表示の順番が不適切ということで、賞味期限の査証などとは、影響の度合いは違うのだげと、コンブライアンという観点からは、同列になるのだろう。 でも、食品の成分表示を、使用量の多い順番にする事がJAS法で既定されているなんて、まったく知らなかった。 使用量を明記していないものだし、順番の意味なんて消費者にどのくらい認知されていたんだろうか.... なんだかなぁ だ。
NTT-comのHot Spotが、iPod touchに対応することになった。 やっと、街角インターネットが現実的になってきた。 これからは、さらにブラウザレス、キーボードレスな端末での接続サービスが増えてくるのではないだうろか。 WiiやDS/PSPなどのゲーム端末もインターネットを使って連携しているけれど、インターネットを特殊な網ではなくて、道路や水や空気のように取り扱いつつある。 "インターネットにつながりますが"っていう技術なキャッチではなくて、"友達とつながります"とか"お店と直接つながります"というような、アプリの視点でのキャッチが増えてきたことをみると、ようやくユビキタスのスタートかなと感じる。
元同僚が社長を勤めるソフト開発会社で、インターネットカルチャについての話をする。 5年くらい前までは、インターネットのEnd to End 原理や中抜き理論とかを中心に、インターネット的なものとそうでないものの比較なんて話がメインだったけど、ここ数年インターネットそのものはあって当たり前であり、その上のサービス論が主になってきた。 とうぜん、インターネットが自律分散網であるとか、Stubit networkだなんて話には、関心がない人が多いし、それ以上に上位層が大きな影響をもってきた。 この会社でも、ミクシィユーザーは圧倒的に多く、セカンドライフ経験者はほぼゼロ、ニコニコ動画は半数近くが見ているという結果だった。 流行というかメディア的な言葉で言えば、まさにWeb2.0時代なんだろうなと痛感させられた。 しかし、当の自分はというと、ニコニコ動画もYOUTUBEも、なにか興味のあるインデックスがあると探して見に行くけど、何もないのに見に行くというユーザーではなく、このあたりが世代の差なのかもしれない。 いまの、お気に入りは♪メロンパンのうた♪だったりするくらい....