オープンソースやモジュール化、OEMやEMSの発展で、製品作りのハードルは低くなってきたように勘違いしている会社が増えてきたようだ。 数年前に、付き合いのあったある会社は、当時展開していたサービスに使う機器を自前で作れば、収益性も上がるし、成長できると安易に考えて、まったく製品開発や製造業の知験もなく、ものづくりに着手し、結局は製品はまともにできず、権利関係などの問題もあり、会社そのものが立ち行かなくなった。 製品を作って販売するには、仮にOEMであれ、ものつくりを知って、その設計や品質に対するオーナーシップを持つことがとても重要だし、市場に責任をとるという意味では、製品に使われる諸々の知財についても、正しい権利を持つべきだ。 また、ただ動くのではなく、信頼性や品質に対するポリシーも確固たるものを持つべきなのだが、そういうことをないがしろにして、自社製品を持つことを性急にするようなパターンを最近良く見かける。 そして、そういう会社は、結局のところ製品がうまくリリースできなかったり、リリース後の不具合対策などで大きな痛手を被ったりしているようだ。 部品選定、設計、製造、品質管理、購買等など、ものつくりには、実に沢山のすべきことがあり、だからこそメーカーという事業には、一定のスケールが必要なのだけど、表面的なところだけを見て、安直に製品つくりをする人達には、どうもその辺りがわからないのだろう。 こういう事は、若いうちにそれなりの規模の会社でものつくりを覚えることが重要で、ぜひ若い技術者には、メーカーの色々な側面を知ったり、経験してもらいたいものだ。