次世代無線構想が後退、米2社が共同計画を断念というニュースが日経にでている。 アメリカのスプリント・ネクステルとクリアワイヤが、共同事業化計画を断念すると発表したそうた。 報道によると資金難が原因とみられるそうで、スプリントは単独で事業化を引き続き進める意向とある。 これは、Wi−Max推進派の技術者なんかは、きっと「技術的な問題じゃなくて、資金やビジネスFSの問題だ」とか言うんだろうな。 Wi−Maxの場合は、TDD、SOFDMという部分は統一されているけれど、一番肝心な周波数、電力、占有帯域幅等はプロファイルとして外部定義になっていて国毎に異なる。 ビジネスモデルの検討で、一番支配的なのは、スケーラビリティで、セルの大きさと収容可能なアプリケーション帯域だ。 韓国でも、Wi-Broとして免許を受けた三社のうち、一社は既に撤退しているし、残る二社も当初予定から大幅に展開が遅延している。 もちろん、将来の携帯電話システムとして、UHF帯などの低い周波数で、Wi−Max方式を採用するのであれば、セルサイズもスケーラビリティもそこそこに魅力的になる可能性はあるけれど、2GHzより上では、かなり厳しいのは自明だ。 日本では、2.5GHzに30MHz帯域幅で2社へ全国免許を免許割り当てる事になっていて、既に免許申請を受付済で、割り当て先を決める審査が行われているところで、この審査に多少は影響が出るかもしれない。 光なみの高速通信だなんて、さんざん無知な提灯記事を書いていたマスコミや似非技術通な評論家の皆さんは、どういう風にこういうニュースを捉えるているのだろうか? 僕は、高利得アンテナの利用を許可するように提唱し、条件不利地域の固定利用ではそれが許可になったけど、結局は条件不利地域以外では、2.1dBiというホイップしか使えない。 ところが、地方のCATV事業者なんかは、夢の無線通信に今名乗りを上げれば、免許がもらえて、新規事業で大成功なんていうように、機器メーカーに踊らされているところも沢山あるようだ。 しかし、そこそこに資金力のあるCATV事業者は、既にインターネットサービスをしているから、条件不利地域はあまり抱えていない。 一方で、移動体通信をするとなると、10MHzの割り手当てでは、セル設計が厳しく、そもそも地域に限定した移動体通信というのは、かなり競争力に欠ける。 それでも、なお、CATV事業者が足並みそろえて免許を取得し、機器の共同購入をしようなどと、扇動している輩もいるようで、今後の動向が見ものだ。