京都大学で開催された情報処理学会モバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会に参加する。 紅葉の季節のため、京都はとても混雑している。 研究会は、高度通信システム研究会(ITS),放送コンピューティング研究グループ(BBC)も共催で、ITS関係の発表もかなりあった。 面白かったのは、東京工科大学の松下先生の招待講演で、地球温暖化対策のために政府が取り組んでいる省エネ対策の話で、業務用、産業用の設備、機器は大分進んでいるものの、家電などでの対策がこれからだという点だ。 家庭の場合、もっぱら電気代節約という点で訴求する白物家電などは進んでいるが、それ以外の部分が取り残されているそうだ。 特に、指摘されていたのは、普及目覚しいブロードバンドルータなどのネット接続機器で、これらは24時間通電しているという点が大きい。 ということで、通産省主導でルータなどの消費電力を測定し、低消費電力の製品を賞賛して、メーカーが評判を気にして低消費電力化を進めるインセンティブを与えるなどの活動をしているようだ。 こういう消費電力などについては、経産省が主幹なのだ。 そこで、無線基地局とか無線機などにも消費電力という切り口だったら、地球温暖化対策という大義名分のもとに、いろいろな基準策定に口を挟める可能性がある。 たとえば、周波数の再配分などで、いろいろな技術提案を評価しているけれど、その評価項目の一つに省エネという項目がはいれば、技術基準や提案評価の部分で、総務省だけでなく経産省も絡める。 こういうことが、電波行政の独立化のきっかけになったりしないだろうか?