Winnyの作者が著作権法違反の幇助罪に問われた事件で、高裁が無罪判決を出した。 いろいろな意見、見解はあるだろうが、僕はこの判決は、支持できる。 しかし、それはWinnyによる不法コピーを支持するということではない。 技術開発というのは、その技術が普遍的で良質なものであれば、新たな利用や創造を生み出し、良いスパイラルになるし、悪質なものは淘汰されて行く。 だから、制作段階で予測された利用形態に問題があるからといって、開発行為そのものを規制しては、良い芽も摘んでしまう。 じっさいに、今流行のクラウドコンビューティングとかだって、P2Pな技術が活かされているわけだ。 もっとも、技術者も反社会的な使途に利用される可能性がある場合には、それを防ぐ、またはその利用をさせない為の配慮を怠ってはいけないだろう。
かつて、無線LANのアンテナ利得の規制を緩和する委員会で、その規制緩和の主旨に反して、一つの場所に複数のアンテナを並べた使い方をされてしまう可能性が指摘された。 これは、厳密には、設備規則などで対処するのが困難だったので、ガイドラインなどを同時に制定して、自主的な規制を促すことにした。 また、僕の会社でも、中継用の双方向アンテナ(二つのアンテナが分配器で接続されているもの)というのを販売したが、この場合も二つのアンテナを同一方向に向けて(スタックする)使用されるとアンテナ利得が規制値を超える可能性があったた。 そこで、二つのアンテナの位相をずらして、これが出来ないようにしたりした。 生善説にもとづけば、こんなことはしなくて良いのだが、これも一種の善良なる管理者の注意義務ってやつだろう。