最近、情報系な研究者の人達から、無線LANの技適に関する質問とかをよく受ける。 これだけ無線LANが普及しているので、研究テーマとして無線LANに関係したものが多くなるのは当然で、それに伴いプロトコルなどへの提案研究が出てくるわけだ。 そして、提案方式の評価を、計算機シミュレーションだけでなく、実装して実験を行ないたいというのが、当然の要求で増えてくる。
ここで、無線LAN=免許不要という言葉が一人歩きして、なんでもありだという誤った免許にたいする理解が問題を引き起こす。 最近は、海外iPadの輸入問題などもあって、「技適マークがついてないと使えない」くらいの認識は生まれて来ているが、根本的なところでは勘違いが多い。
今日も知り合いの研究者から、市販のカードとアンテナのセットの製品について、アンテナケーブルを交換して使う事ができるかという質問があった。 答えは、NG。 技適は、基本的にアンテナと本体を含めた全体に対してのものである。 もちろん、複数のアンテナでもきちとん技適を取得して、オプションアンテナを用意している製品もあるが、他社や市販のアンテナを買って来て交換したり、組み合わせすることは出来ない。 簡単にいうと、メーカーから供給される組み合わせ意外は駄目ということだが、これがなかなか浸透していない。
実際に、輸入品に限らず、無線LAN用アンテナとして単体で販売しているものがあり、こういうのが簡単に入手できる環境があるので、なかなか厳密な運用がされないのも仕方がないのかもしれない。
そこで、これだけ無線LANの利用形態が多様化してきているのだから、例えばアンテナの利得を明示させて、本体側も接続可能アンテナは、利得xx以下等の表示をすることによって、任意のアンテナと組み合わせても良しとするような規制緩和をそろそろ考える時期なのかもしれない。 斜陽気味なアンテナメーカーは、堂々とアンテナを売れるだろうし、ユーザーも環境に応じていろいろなアンテナを選べるほうが嬉しいだろう。 こういう規制緩和を提案するのが産業界なんだうろが、そんな元気も最近はないのかもしれない。