先週の金曜日から昨日の帰宅までは、延べ約43時間と、12kmくらいの徒歩、車中一泊、温泉ホテル一泊という行程だった。これは、普通に、まあ災難でしたねという感じかもしれない。しかし、まだまだ今も列車内にいる人や、孤立してる集落の方達の事を思うと、僕はかなり幸運だった。
というわけで、幸運の要因をまとめてみる。
まず、徒歩の判断が出来たことが幸運だった。これは、駅員が何気なく発した「今日も無理だと思いますよ」という一言が判断のトリガーだった。何しろ、公式には、これを聞いた夕方五時近くの段階でも、その日の復旧は無理だなんていう情報は、一切与えられていなかったのだ。
次の幸運は、宿が豊富な場所が隣町だった事だ。特急が止まった山梨市駅の近くには、四件くらいしかホテルがなくて、どこも早くに移動した人達で、満室だった。ところが、一駅歩いた隣は石和温泉という県内屈指の温泉街で、沢山の温泉旅館やホテルがあるので、躊躇せずに行けばなんとかなると判断できたし、実際に一泊二日でそこそこの大店に泊まれ、温泉で疲労回復も出来た。
三つ目は、そもそも雪の予報で、革靴、通勤着ではなく、ジーンズ、スニーカーだった事だ。二日目は、石和温泉から甲府まで歩いたけど、スニーカーは、かなりグリッブよくて、歩きやすかったし、荷物もリュック一つだっかのが良かった。
四つ目は、車が立体駐車場に停めてあったため、除雪などが不要だったし、車の中には先週の教訓からスノーブーツが入れてあったことだ。加えて、スバルの車の走破性能の良さは、甲府から北杜市に戻る道中の除雪の悪い道でも、まったく安心して運転できたことも良かった。
最後は、集落の組の人達が集落から外部までの除雪をしてくれていた事だ。もし、一日早くに北杜市に到着しても、集落へは全くたどりつけ無かった。たまたま、僕が到着した日に、ぎりぎりの除雪が出来て、車で集落内まで到着できた。実際、組の人が僕が車で来たら、口々にどうやって来たのか、どのルートが来れるのかと聞いてきたくらいだった。
全体を通して、とにかく幸運だったのは、携帯、PCなどで、多くの人達と、常にコミュニケーションが取れていた事だ。何気ない会話のなかで、ヒントを得て、宿を検索したり出来たし。なによりも、心が前向きでいられたの大きかった。
というわけで、今回はしたくてもなかなか出来ない、とても良い体験が出来たわけだ。